まったくのシロウトによるきのこ鋸屑栽培奮戦記
東平恵司(上尾市)


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序 自然史へむけて

 「きのこの会」に入会してやっと一年六ケ月、それでもおかげていろいろと、森の住民達とのお付合いをさせていただいている。とは言っても、いまでも何が何だかよく分らないというのが正直なところだから、入会したては目がくらくらして、皆目見当がつかなかったというのが偽らざる実状。「ナントカダケにナントカタケ、そして、ナントカモドキやら、(いたち・むじな・きつね、たぬきは居ないらしいが)ナントカのカラカサ…」、それに、食えるとか食えないとか、うまい、うまくない、汁ものがいい、いためものがい、風味があるの、風味がないの、酒に合うとか合わないとか…。さらに、九州がどうの北海道がどうの、新潟県やら、神奈川県、福島県…、金峯山、八ヶ岳、富士山…、とにかく好奇心旺盛な私には興味津々、次々に新しい世界か開けてくるような予感と期待を、今の今まで経験し続けている。

 生命ないし生物というものをどう考えたらいいのか、1953年のワトソン、クリックによるDNA二重ラセン構造の発見以来、生物学も今世紀初頭あたりからの物理学に似た、認識内容と方法論における全面的な革新の波に翻弄されている−−のだということをちょいちょい聞かされてはいても、あまり実感がわいて来なかったが、キノコの会への入会を契機にして、多少は生物学の基礎文献を読みあさり、ようやく何のことかは、おおよその見当かつくようになったと言っていい? 物理学の転換に生物学の転換が続いたら、学問というより、自然についての考え方、自然観そのものが転換するのではないか。どうやら、物理的・化学的過程への還元ではなく、ブリコジンヌの言う「散逸構造」、フォン・ベルタランフィーの言う「一般システム論」、あるいは、アーサー・ケストラーがつとに主張したホロン論等と、美的観賞をも含んだ生態学的ナチュラル・ヒストリーとの総合、そのように統一された、内面的で同時に全面的に運動論的な自然観成立の予感。こんな予感の成立根拠を論証するためには、相対論や量子論の動向とともに、生物学の転換なるものを特徴づけねぱならないだろうが、いずれにせよその視点は、「美的観賞をも含んだ生態学的ナチュラル・ヒストリー(自然史・自然誌・博物誌・博物学)」でなければならない。

 「美的鑑賞」という言い方に、私は、美を含めつつもより広く、個個判断一般という意味を代表させている。しかし、常識的に科学は、「没価幅性」・「価値中立」的であり、また、そうあるべきだとされている。だが実は、この「没価値性」・「価値中立」的ということは、価傾判断を含まない、価値判断・価値評価の視点を全くもっていない、およそ価値なるものとは無関係であるというような意味ではない。ただ、事実なるものを可能な限り全面的に関連づけ認識し得るように、肯定的な評価ばかりではなく否定的な評価をも与えさるを得ない諸要素・諸側面をも、表面的には「没価値的」に取込もうとする、その実、本質的に鈍欲な、批判的で全面的な価値認識とその根拠づけへの意欲に他ならない。出来るだけ普遍的かつ全面的で高度な価値判断を可能にするための根拠、科学が目的とする事実認識とは、結局のところ、そういう価値認識を獲得するための素材にすぎないと言っていい。こういう意味で科学は、かつて哲学についていわれていたような、「神学の下僕」ではないが、「普遍的かつ全面的で高度な価幅判断の下僕である」というべきだし、また、そうであるべきであろう。「美的鑑賞」とは、「自然との素朴な一体感」「存在との素朴な一致」、あるいは、「融合」・「有即」・「関与」(すなわち、participation) ということであって、この「存在との素朴な融合」ということこそ、「全面的で高度な価値判断」の根底を形成するものと言うべき、私達の生存のための根本体験であったのではないだろうか。しかし、私達は、その原体験を忘却したままでいる。

 さて、「序」としてはいささか余計なことをしゃべりすぎたし、しかも、どうしたって中途半端な感じをまぬかれ難いが、この続きはまたの機会として、具体的な「きのことの触れ合い」の話をしなければならない。もちろん、私以上に実り多い「素朴な触れ合い」を実現している人達が大勢いることは承知のことである。だが、そういう人達は、その秘密をなかなか明らかにしてはくれない。明らかにしている積りでもどこか不人情気味に、「そんなことも分らないのか!」と一喝する、いや、されそうな態度が見え見えに思えるのは、シロウトのひがみであろうか。しどろもどろにおそるおそる、「何も知らないから質問する」のであるし、「何も知らないから学ぼうとする」のだとはいえ、「こんなことも知らないようでは、止めた方かいいんじゃない?」と言われそうで、ますます萎縮して しまう。「素朴な触れ合い」を既に高度に実現している人達から見れば、私のような修業の足りぬシロウトはどこかぎこちなく、無比判なままに、世俗的偏見や悪徳にとらわれすぎている故に、「そんな風に自然に接するのは止めてもらいたい!」と、実はいらいらしているのかも知れない。だからこそ「自然に接するにはどうしたらいいか教えて下さい。偏見や反自然的悪徳、損得づくの欲望なんか、みんな洗い流してしまいますから」という次第だ。

 以下の話は、そんな願いを込めた全くの初心者が、鋸屑栽培を通じ、どのようにして「きのことの素朴な一致」(要するに、きのこと身体の一体化=きのこ汁ときのこ飯を平らげたということ)を実現したか、四苦八苦した記録である。どんなことで四苦八苦するかにこそ、シロウトのシロウトらしさがある分けで、取っかかりが見つからない人達の参考になること受け合いである。

鋸屑栽培:材料集め・道具集めから、きのこの収穫まで

 鋸屑栽培のための材料や道具を手に入れるにしても、一体、どこでどういう手続きを取ったらいいのかが分らないので困ってしまう、というのが初心者の第一関門。そこで、専門家にあれこれと質問するのだが、いまひとつ、すっきりしない。「そんなこと本当に簡単なことですよ」、「誰にだって出来ますよ」と、たとえば、福島さんに言われても、その取付口が見えてこない。しかし、何事も本気でどんどん追求すれば「意自から通ず」、「求めよ、さらば与えられん」の言葉通り、そのうちによく分ってくる。先ず、

 (1)具体的な栽培法については以下の文献等を見ていただく方がはっきりする。ただし、大型の本屋に行かなければなかなか手に入らないので、近くにそういうところがない人は、最寄りの本屋に注文して取寄せるしかない。東京まで出向ける人は、渋谷・東急プラザの新栄堂、新宿東口の紀伊国屋、同西口小田急デパートい階の三省堂、あるいは、池袋西口(東武デパート方面)を少し歩いて芳林堂、さらに東口西武デパートl1階の書籍コーナー等、それでも見つからない場合は、東京駅南口、埼玉からの進行方向左に出て、さらに左前方に、国労会館前の信号を渡った左手、「ブックセンター」の生物書コーナーに出かければ大抵の本は手に入る。棚にないときは、遠慮なく、店員にたずねること。5分位で持ってきてくれるはず。残念ながら大宮では見つからなかった経験がある。

 ついでに一言、「図鑑の類を割引で多少安く」とお思いの方は、神田(というより「お 茶の水」)スルガダイ下、三省堂前の信号を三省堂の前に渡って右方向、神保町方面に歩 いた「悠久堂」、ここは、今年の夏の裏磐梯での合宿の際、夕食の後、詩人の志田さんを中心に、みんなでワイワイがやがやペチャクチややっていたら、「私も入れて下さい」と遠慮しなくてもいいのに、おしとやか、かつ、遠慮がちに、仲間に入った白川さん(feminine)に教えてもらったところ。その後、塩津さんが実際に購入してきた実績がある。

財団法人日本きのこセンター編『図解 やさしいきのこ栽培』家の光協会 1985年 1400円
大貫敬二著『図解 家庭でできるキノコつくり 自然の味を楽しむ』農文協 1985年 1200円

「一冊でいい。二冊は必要ない」という人には、前書を推薦したい。

 (2)試験管や試薬匙等の化学機器の類は、神田駅東口、信号を渡って日本橋方向に歩いて最初の交差点の角(ただし、87年10月現在、新築中につき別の場所で営業中。そこへは 、その交差点をさらに日本橋方向に渡り、左に曲ってしばらく行く)の、

「高野理化硝子(kk)」千代田区神田鍛冶町2の3のl JR線神田駅東口中央通り TEL.03(252)2641〜5

で、手に入る。どんなものが置いてあるか、また、場所がどこかを知りたい人は、あらかじめ電話をかけるといい。「知・認識を求める者はすぺからく、自ら努力すべし!」「天は自ら助くる者を助く」という。

 あるいは、

「サイエンス社」代表者 谷口明生 〒330大宮市東大成町1-l15-l TEL.0486(67)1750

に相談してもいい。ただしここは個人経営なので、早朝か夜でなければ電話が通じない。

 さらにもう一つ理科器材専門店、前野先生(蕨高校)に教えていただいたところ。

「サイエンス・ホンダ」 TEL.O487(54)5522

 ここは同先生の教え子か経営しているということで、かなり懇切な対応が期待できると思う。純粋培養などの必要器具は、この三ケ所で間に合うはずだ。

 (3)栽培用ブロービンおよびキャップ

 いろいろな種類があるが、最も手頃なのは、「信越農材 きのこ栽培ビン 850cc」(単価 24円)ではないか。ビンに蓋をして、菌の侵入を防ぎつつ通気を行わせるためのキャップは、「新N85ロキャッブ」(単価 15円)がいい。いずれも、下記に電話をして、カタログ等を頼み、どうしたら手に入るかを聞いてみてほしい。私の場合、「ブロービン=50ケ、新Nキャッブ=50ケで、運賃1000円」かかり、現金書留に代金1900円と注文書を同封して郵 送、代金到着を待って、宅配便で自宅まで配達してもらった。

信越農材(kk)〒382 長野県須坂市大字1須坂1420番地 TEL 0262(48)1108
 (4)鋸屑の入手

 鋸屑の入手に際しては、「ただの栽培用ではなく、種菌を作るので、ブナの上等なものを送ってほしい」と注文すべさだと、福島さんからこ教授いただいた。その旨、下記に注文し、宅配便で送ってもらっている。詳しくは、電話で聞いてほしい。


角島(カクシマ)産業(kk) 〒506 高山市昭和町2丁目41 TEL.0577(32)0185
 私の場合は、「種菌用オガコ 25kg 1500円 同上運賃1600円」を、現金書留で郵送し、現物は宅配便で自宅配達。

 ブロービンも「種菌用オガコ」も、とにかく、電話で納得でさるまで問いただしてほしい。いずれにせよ、「駄目でもともと」、「身を捨ててこそ浮ぶ瀬もあれ」、「押して押して押しまくって、最後にうっちゃられても本望」の心意気が大切。

 (5)種菌の入手

 いよいよ種菌の入手。代金、郵送料等、これも詳しいことは下記等に電話で聞かなければならない。上述の参考書にはいろいろな入手先が記載してあるが、私が利用したのは次の二社、

日本農林種菌(kk) 〒410-l1 静岡県裾野市佐野464-l TEL.05599(2)0457
大貫菌覃 〒320 栃木県宇都宮市上戸祭町2689-12 TEL.0286(24)6951
 (6)滅菌用フタ付き金属製ゴミ缶

 出来るだけ大きなポリ容器の中で、鋸屑と新しい米ぬかを、容量比3:1の割合によく混 ぜ、よく混ざったところに約1弱の割合の水を入れ、さらによく混ぜる。水の量は混ぜた もの手に取り、ぎゅっと掴んで、指の間から水がわずかに泌み出てくるくらいが丁度よい。多くても駄目、少なくても駄目。力一杯握ってみて、水が沁み出てくる頃合に調節する。米ぬかは、近所の精米所や酒屋等で売っているが、ぬかみそ用の様な、ぬか以外の混ぜ物を入れてあるのは駄目。ぬかだけのもの、lkg50円を2袋、2kg100円で、先の850cc用プロービン20ケ位にはなる。鋸屑と米ぬか、水を混ぜたものをブロービンにつめ、その中央に、菌の呼吸のために試験管等を突きさして、ビンの底まで人差し指大の穴を開ける。キャップでフタをし、フタが取れないように、ビニールテープでフタとビン本体とを押えておく。そうしたものを本来は、すなわちクロウトは、高温高圧の水蒸気で滅菌する。滅菌には、いわゆるオートクレーブがいいに決っている。しかし、そんなものはシロートの手に入るわけがない。

 (1)および(2)の方法をそれぞれ何回か既に試してみたが、今のところ失敗はしていない。ヒラタケ、エノキダケ、タモギタケ、ヤナギマツタケ、マイタケ、トキイロヒラタケ、ヤマプシタケ、クリタケ等に応用し、いずれもうまくいっているので、これもかなり有効な方法ではないかと思っている。

 槌菌が終ったら、あとは直射日光か当らないで適当な温度の場所に置いて、菌糸がビン全体、つまり、ビンの底まで成長するのを待つ。そして、菌糸が充分に成長したら、菌かきを行って、子実体形成を促す。

 (7)菌かきと子実体形成

 前述の代用クリーンベンチを使って、菌かきを行う。菌かきとは、古い植菌部分を剥いで、新しく成長した菌の表面を露出させ、その傷ついた菌糸の集合体が、子実体を形成するように促す操作をいう。

 代用クリーンペンチの中で、菌糸が充分に成長したブロービンのキャップを開け、菌かきを行う。ビンの内側についた鋸属などのゴミは、滅菌用アルコールを泌らせた脱脂綿でよく拭き取っておく。菌かきが終ったビンは再びキャップでフタをして、ビンの表面一面に、子実体の芽が成長して来るの待つ。子実体形成にはかなりの明るさが必要なので、暗いところではなく、直接日は当らないが適度の明るきがあるところに、保管する必要がある。子実体の芽がビンの口付近まで成長したら、キャップを取りはづしてやり、さらに成長を待つ。適当な大きさの子葉体に成長したところで収穫する。ヒラタケならこれで十分収穫できるはずである。

 と言うのが私のきのこ栽培の経験。現在までこのような栽培と、標本収集を目的に活動してきたが、今年ないし来年からは、純粋培養に挑戦し、目分で種菌を培養し、出来るだけ多くの菌を私自身の手元に確保しておきたいと思う。そのための器具・道具類は、前述した「高野理化硝子」や「サイエンス社」等から既に入手し、あとは実行あるのみ−−なのであるが、分らないところは遠慮なく、福島さんなどに相談することにしている。  それに、案は、鋸屑栽培ではどうも二回目からの収穫がうまくいかないので、そこを何とか、何回でも収穫可能な方法を案出したい。ただ、これは全く偶然'ではあったが、タ モギタケでは既に、成功し、おかけで今年は4月以降9月末まで、10日に1回は、タモギタケのみそ汁を賞味することができた。みそ汁にはタモキタケがいい。その方法をヒニラタケ等にも応用して、アマチュアによる鋸屑栽培の限界を打破してみたいと思っている。今年も、すでに、この10月になって、新しく、ヒラタケの収穫をみた。−−そして、なによりも−−マチスの色彩、ピカソのリアリティ、いつもキノコは、モツアルトの昧がする。

(1987年10月17日)


補論:本邦初出? タモギタケの味噌汁を7ヶ月間賞味する方法

 上述したように、銘屑栽培では満足な収穫は一回しか期待できない。どうにかして二回三回の収穫を得たいものであるが、850Cブロービンの菌体量ではどうやら、菌の生命力に限界があるらしい。温度、湿度、栄養補給等をうまく行えば、おそらく、何回か納得のいく子実体形成が可能なのではあろう。今年四月の「きのこ同好会」総会当日、マイタケ栽培の専門家・青森さんが、わたしが持ちこんだヒラタケ収穫後のブロービンのフタを開けて、綿状に充満する菌糸の様子から、「あと三回は採れる。わたしたちは三回から四回は収穫しています」とおっしゃっていたのを耳にしている。「すごいなァ」という衝撃的印象のおかげで、「三回から四回」だったはずであるか、あるいは、「二回ないし三回」だったかも知れない。そのくらい圧倒され、「さすかたなァ」と畏れ入ってしまったわけである。いずれにせよ、専門家は何等かの技術を駆使して何回かの収穫を得ているらしい。しかし、シロウトの'わたしには何か栄養剤を与えるか、菌体量を大きくして、カビやバ クテリアに対する抵抗力を増すことぐらいの手段しかない。栄養剤の投与には、事前か事後かの方法があるてあろうが、未だ、試験してはいない(実は、事後にアリナミンを滅菌水に解かして噴霧してみたが、どうということはなったという馬鹿馬鹿しい結末だから、「試験してはいない」ことにしておいてほしい)。ただ、タモギタケについては菌体量を 大き<することで、大成功を獲得した。ところが、こんなこととができるなどということ は、わたしの見た範囲の文献にはまったく記されていないので、おそらく、わたしのこの体験発表が、本邦初出なのではないか。

 菌体量を大きくすることによって野球のグローブ大の美事なタモキタケのふさを、二回、三回、四回…と、とにかく七ケ月も収穫し続けることができた。グローブ大の−−ふさもあれば、味噌汁の実には十分てある。よい出汁もでるし市販されてもいないタモギタケを密かに楽しむなどということは、正に「きのこ同好会」会員ならではの、ワクワクする快感である。

 では、どうすればいいのか。本邦初出とはいえ、きわめて簡単。しかし、「コロンブスの卵」の故事のように、思いつきを実行して成功した栄誉を、本人自身の自己満足のためにほめたたえたい。そこで今後この方式を「KT(Keiji Touhei)式栽培法」とよぷことに、勝手に決定した次第。くれぐれも、お忘れなきようお願いしたい。

 先ず、例の850CC ブロービーン 10ケ〜12ケぐらいで、タモギタケを収穫する。そのま までもう一回位収穫できればなにも言うことはないのだが、どういうわけか、とにかく、二回目はうまくいかない。アオカピにやられながらも、「おやおや、やっとのことできのこが出て来たな」と気づいても、いかにも弱々し<、見ていてあまり関心しないし、アオ カピがいかにもいやらしい。もし、二回目を試みたものであれば70%アルコールで消毒し た試薬匙(なければスプーン〕等でそのアオカビを取除いて次に利用するわけであるが、 わたしは、もう二回目には挑戦しないことにしているので(しかし、こういう様な特定の 信仰に固執する態度は科学的とは言いがたい)、第一回の収穫後のものを、そのまま利用 している。

 タテ50cm×ヨコ70cm位のビニール袋二枚、および、直径301cm×高さ35cm位の丸型のフ ェールカン、あるいは、四角い一斗カン(あるいは、適当の大きさのダンボール箱等)を用意する。ビニール袋二枚を重ね、フェールカンあるいは、一斗カン等の底に拡げる。その中に大型のスプーン等でプロービンの中身をかき出して詰めこむ分けである。 lOケ、ないし、12ケでカンの上端から5cm位のところまでいっぱいになる。上端すれすれ では管理上不都合が生ずるので、やや余裕をもたせるぺきてはないかと思う。そして、雑菌の侵入と乾燥を防ぐために、鋸屑表面から約20c位あまっているビニール袋を、輪ゴム で束ねておく。操作はこれだけ。あとは、直射日光があたらない日陰のところにカンを保カンしておき、きのこが姿をあらわしてかなりな程度に成長したら、輪ゴムをはずし、ビニール袋を開けておく。きのこは、出来るだけ大きく成長するのを待って収穫する。時々水を補給する必要があるが、与えすぎないように、注意しなければならない。「多かったかな?」と思ったらカンを横にして、余分な水をビニール袋の外に排出すればよいであ ろう。うまく行けば一週間位で望みのタモギタケが手に入る。その後は、四月から十月まで、「心往くまでご賞味あれ!」という次第。何事も実行が肝心とか、ウソか誠か実際に試してみていただきたい。そして、さらに合理的な方法を確立してほしい。

(1987.1l.15)


種菌メーカー一覧


K.K. 河村食用菌研究所 〒998 山形県酒田市新橋 2-1-8 0234-24-1322
K.K. 河村式種菌研究所 〒999-77 山形県東田川郡余目町払田字村東 17-2 02344-2-1122
東北椎茸株式会社 〒989-31 宮城県宮城郡宮城町下愛子字上下 3 02239-2-2551
加川椎茸株式会社 〒981-17 宮城県角田市尾山字横町 12 02246-2-1623
有限会社 大貫菌覃 〒320 栃木県宇都宮市上戸祭町 2989-12 0286-24-6951
北研産業株式会社 〒321-02 栃木県下都賀郡壬生町駅東町 7-3 0282-82-1100
森産業株式会社 〒376 群馬県桐生市西久方町 1-2-23 0277-22-8191
明治製菓株式会社 〒104 東京都中央区京橋 2-4-16 03-272-6511 
K.K. 秋山種苗研究所 〒400 山梨県甲府市高畑 1-5-13 0552-26-2332
大森種菌産業株式会社 〒409-38 山梨県中巨摩郡昭和町押越 1032 0552-75-3511
日本農林種菌株式会社 〒410-11 静岡県裾野市佐野 464-1 05599-2-0457
K.K. 河村式椎茸研究所 〒426 静岡県藤枝市青葉町 1-1-11 0546-35-0507
石川種菌産業株式会社 〒923-11 石川県能美郡寺井町湯谷 ソ8 07615-7-0360
菌興椎茸協同組合 〒680 鳥取県鳥取市富安 2-96 0857-22-6161
ヤクルト本社熊本工場 〒680 熊本県熊本市上熊本 3-24-1 0963-24-8960




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