十周年記念行事 きのこ展
於 熊谷市 八木橋デパート
実行委員長 塩津 晋 (文 上原 貞美)


a  念願であった設立10周年記念行事の一環であるきのこ展が、平成6年9月29日〜10月2日(木、金、土、日)の4日間、熊谷市の八木橋デパートの協賛により、同デパート8階、カトレアホールに於いて開催された。
 当会の活動内容を広く世間にPRし、理解していただくと共に、今まで蓄積してきた力を一般の方々のお役に立てたいという希望により実施されたものである。
 開催に先立って、テレビ埼玉のご協力を頂き、副会長の塩津氏が出演しPRにつとめ、また新聞各紙にも掲載された。
 会場のカトレアホールは広さ100坪のイベントホールで、開催にさきだって前日より福島氏、デパートの催事課長小久保氏他の指示により各会員が協力して準備を整えた。部屋の区分は中央部にジオラマを配置し、担当の福島氏他会員の協力によりきのこの生えている自然の姿を再現した。出入り口以外の三方の壁面とジオラマの背部に、会員の吉田氏の協力により長瀞の自然史博物館から拝借したきのこの写真をパネル添付した。写真の下方の床に細長く台を置き、担当の上野氏、二宮氏、浅井氏他各会員が随時採集してきた野生のきのこを鉢植え、またはそのまま展示した。出入り口側には売店を設置し、業者栽培のきのこや、植菌してあるポリポット、ほだ木を格安で販売した。販売員は会長を始め主として女性会員が日替わりで担当した。また会報や特製エプロンも販売した。入って直ぐの右側に会員受付けを設け、3日間通して横田氏が担当し、名札、エプロン、昼食券を配布した。左側にきのこ鑑定コーナーを設け、福島氏、井口氏、塩津氏他が担当した。その奥には植菌作業実演コーナーを設置し熊谷農業高校科学部の生徒諸氏が実演を行った。反対側出入り口付近では福島氏、茂木女史、清水女史、上原の4日間皆勤をはじめ籾山氏、近所の橋本女史、手塚女史、科学部及びOB諸氏の早朝からの協力により調理されたきのこ汁の試食販売を行った。その奥右側の小部屋にスライドコーナーを設置し、藤野氏、上原持参のスライドにより、井口氏他が解説を行った。その奥では搬入された野生のきのこを、大館氏、松村氏、吉田秀氏他が仕分けし展示した。ジオラマの左側にはビデオコーナーを設け塩津氏、大館氏他がきのこのビデオを流した。
  

各イベント内容

◎きのこ写真展示(パネル) (順不同)
 オオモミタケ、カキシメジ、キサマツモドキ、シャカシメジ、スギヒラタケ、ダイダイガサ、チシオタケ、ツキヨタケ、ナラタケ、ナラタケモドキ、ニオウシメジ、ハイイロシメジ、ヒメカバイロタケ、ホンシメジ、マツタケ、ミネシメジ、ムキタケ、ムラサキシメジ、ムレシメジ、ヤグラタケ、クチベニタケ、ヤマブシタケ、ショウロ、カベンタケ、スリコギタケ、ムラサキナギナタタケ、キイロスッポンタケ、カゴタケ、カニノツメ、ハナビラダクリオキン、アミガサタケ、アンズタケ、ベニウスタケ、アカヤマドリ、カラマツベニハナイグチ、キノボリイグチ、ドクヤマドリ、ハナイグチ、ムラサキヤマドリタケ、ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ、ハルシメジ、カラスタケ、クロカワ、クロハリタケ、ケロウジ、コウタケ、モミジタケ、オオハタケキノコ、ツチナメコ、セイタカイグチ、ベニイグチ、カンゾウタケ、キクラゲ、アシグロホウライタケ、エノキチケ、キヌガサタケ、ヒトクチタケ、マイタケ、マスタケ、カバノアナタケ、ツチグリ、オニテングタケ、キタマゴタケ、キリンタケ、コテングタケモドキ、シロオニタケ、タマゴタケ、ツルタケダマシ、テングタケ、ドウシンタケ、ヒメベニテングタケ、ベニテングタケ、カンムリタケ、ヘラタケ、シュイロガサ、ツチクラゲ、シャグマアミガサタケ、ハナビラタケ、キヌカラカサタケ、コガネタケ、ツブカラカサタケ、ハラタケ、ササクレヒトヨタケ、ヒトヨタケ、ムジナタケ、ニカワハリタケ、エリマキツチガキ、アラゲカワキタケ、シイタケ、ヒラタケ、マツオウジ、クリフウセンタケ、アカモミタケ、チチタケ、ミミブサタケ、ホウキタケ、ツガノマンネンタケ、クリタケ、センボンイチメガサ、ナメコ、ニガクリタケ、ハナガサタケ、フジウスタケ。他(SP)117種。

 写真の大部分は会員の撮影のよるものだが、パネルは県立自然史博物館が作製したものである。会場の骨子をなすものだけに殆どのお客さんが熱心に眺めていた。。当初、業者によるこのパネルの運搬、取り付け代金が非常に高く付き、予算超過が心配されたが、デパート側が意を受けて業者と交渉してくれて値下げをお願いし、事なきを得たいきさつがある。

◎野生のきのこの実物展示(順不同)
 キハツタケ、カキシメジ、ハツタケ、ハナホウキタケ、オニテングタケ、シロオニタケ、シロタマゴテングタケ、オリーブニガイグチ、ツキヨタケ、シイタケ、コテングタケモドキ、テングタケ、フクロツルタケ、ニセクロハツ、ベニテングタケ、ニガクリタケ、クロハツ、タマゴタケ、カラハツタケ、マンネンタケ、サンゴタケ、カワラタケ、コンイロイッポンシメジ、コムラサキシメジ、マントカラカサタケ、スギタケモドキ、モエギタケ、スギタケ、サクラタケ、ヤマドリタケモドキ、アカハツ、マスタケ、ホテイシメジ、ヌメリササタケ、アブラシメジ、ツガサルノコシカケ、ツリガネタケ、シロハツモドキ、ヤグラタケ、ニガイグチモドキ、コガネタケ、カラマツチチタケ、アミタケ、クリカワヤシャイグチ、クロアザアワタケ、クロサカズキシメジ、キチチタケ、クロフチシカタケ、チョウジチチタケ、ハナイグチ、スリコギタケ、アイゾメクロイグチ、オオツルタケ、アイタケ、ハナビラニカワタケ、タマシロオニタケ、コタマゴテングタケ、コフキサルノコシカケ、アラゲカワラタケ、クジラタケ、ケショウシロハツ、チリメンタケ、アカカバイロタケ、オニフスベ、クサウラベニタケ、アカハテングタケ、タマゴタケ、キホウキタケ、ホンシメジ、スミゾメシメジ、ミネシメジ、キアミアシイグチ、ドクベニタケ、アイゾメシバフタケ、ヒロハウスズミチチタケ、シロサカズキタケ、キンチャワンタケ、タマゴタケモドキ、キタマゴタケ、ザラエノハラタケ、タケリタケ、シャカシメジ、サクラシメジ、オニイグチ、コガネヤマドリ、オシロイシメジ、ツルタケ、ムレシメジ、クリタケ、ヤマイグチ、ホウロクタケ、ヒイロタケ、ウラグロニガイグチ、ハツタケ、クロカワ、ケロウジ、ムキタケ、マツオウジ、ケシロハツモドキ、カワリハツ、アンズタケ、オニタケ、ウロコテングタケ、オオカシワギタケ、クダアカゲシメジ、ツブカラカサタケ、ノウタケ、コカブイヌシメジ、サマツモドキ、アキヤマタケ、オウギタケ、シワカラカサタケ、カラカサタケ、アケボノアワタケ、ヌメリイグチ、ハナガサタケ、カベンタケ、アカヤマドリ、ブナシメジ、ツガタケ、ムラサキシメジモドキ、カワムラフウセンタケ、サンゴハリタケ、ハエトリシメジ、シロヒメカヤタケ、チャナメツムタケ、ヘラタケ、シロヌメリイグチ、オツネンタケモドキ、ヒダハタケ、カヤタケ、シロアンズタケ、キツネタケ、ズキンタケ、アミハナイグチ、キヌメリガサ、キノボリイグチ、ヒイロチャワンタケ、ウスタケ、カバイロツルタケ、ムクゲヒダハタケ、ヒビワレシロハツ、フタイロベニタケ、クサハツモドキ、ドウシンタケ、オキナクサハツ、コウタケ、ムラサキヤマドリタケ、ヘビキノコモドキ、チチアワタケ、アカキツネガサ、アラゲキクラゲ、ウスヒラタケ、ハイイロカラチチタケ、キカラハツ、ドクカラカサタケ、トビチャチチタケ、ザボンタケ、ニガクリタケ、シバフタケ、センボンイチメガサ。

 以上165種程が宅急便や持ち込みで提供されたが、特に食菌の前には人だかりするほどの盛況であった。また熱心なお客さんは会員を探して質問する様も見られ、初日からその様な対応を考慮すべきだった。

◎ジオラマ
 背景に広葉樹の小木を配し、栽培種がほだ木から発生したものや、オニフスベ等を展示してあったが、林床に枯れた竹の葉を敷いたため汚らしい感じが出てしまった。救いはデパートの顧客の方が寄付された7kg程の大きなマイタケで、中央に据えられてひときわ人々の関心を引いていた。

◎実物鑑定
 このコーナーは予想よりはるかに盛況であった。沢山の方が自分で採集したものを持ち込んできて、熱心に担当者の話をきいていた。きのこによる食中毒を予防する上でも非常に有意義なイベントであった。

◎スライドコーナー
 時間をきめて上映、解説をしたので、むらがあったようだが、熱心なお客さんは時間前から待機していた。また、解説者の話術にもかなり左右された節がある。

◎ビデオコーナー
 東京都の編集したきのこの食中毒防止ビデオ等を時間をきめて流していたがなかなか好評であった。

◎植菌作業実演コーナー
 熊谷農業高校の科学部の生徒が頑張ってくれたが、一般の人達にとってはやや難しかったせいか、いまひとつ客足を止めることができなかったようだ。

◎きのこ試食コーナー
 市販のヒラタケ、エノキタケ、シイタケ、マイタケ、ナメコに葱と豆腐を入れ、味噌仕立てできのこ汁を作り一杯100円で販売したが、なかなかの好評であった。4日間通算で1000食近くさばけたが、中には『試食コーナー』というタイトルから無料では、と質問された会員もいたという。4日目には経費の節減を計って、会員の昼食用にと、小久保氏の協力を得てきのこごはんを作ったが、一部販売したところたちまち売り切れてしまった。もともとは業者のほうで、まつたけごはんを販売する予定であったらしいが、都合で中止になってしまった経緯があり、やはりセットで提供したほうが良かったようだ。

◎栽培きのこ販売コーナー
 このコーナーも利益を目的として設置した訳ではなく、できるだけ多くの人々にきのこを味わって貰おうという趣旨だったので格安販売となり、大好評であった。また折角採取してきた野生のきのこを食べられるものは勿体ないと言う事で、展示販売したところ、驚異的な売れ行きで、天然物に対する人々の思い込みの深さを今更ながらうかがい知ることができた。ここではデパートの小久保氏、科学部OBの川島氏に特に大変ご協力を頂き感謝する次第である。

 きのこ展収支
 予算としてはS資金30万をもって充当すると言う事であった。いざ蓋を開けて見ると先にも触れた通り、展示パネルや会場費に費用が掛かり過ぎることがわかり、30万では間に合いそうもないと会計担当の藤野氏、佐藤女史とも真っ青になる程であった。そこでこの窮状をデパート側担当の小久保氏に訴えたところ、全面的なご協力を頂き、20万程度の支出で切り抜ける事ができた次第である。

 きのこ展総評
 入場者は4日間通算で約6000名という盛況ぶりで、デパート側にも大変喜んで頂いた。当会としても当初の目的は十二分に達成できたと思う。なにしろ始めての体験であり準備不足、経験不足なので細かい反省点はいろいろあろうかと思うが、とにかく何ら事故もなく終始盛況裡に終わったと言う事は、大成功と言うべきで、もろ手を挙げてバンザイと叫びたい。



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