キノコの分類と役割
大久保 彦(川越市)


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1. 役割

生産者 (植物) → 消費者 (動物) → 還元者 (キノコ)

2. 腐生菌(死物寄生菌)


寄生菌、褐色腐朽菌(セルロースを分解でリグニンが残る)
  サルノコシカケ類、ヒダナシタケ目
白色腐朽菌が多い(リグニンを分解)
  シイタケ、エノキタケ、ナメコ
特定樹木の材を腐らせるキノコ
  (ブナ ツキヨタケ)、(マツ ヒトクチタケ)

※針葉樹では、シイタケ原木栽培ができない理由は、材自体が乾きやすいのと、シイタケの菌糸生長を阻害する物質を含んでいるから。

3. 菌根菌(活物寄生菌)

さまざまな共生関係 厳しい環境に生存するため根に菌根菌が付着
マツ林
シモフリシメジ、アミタケ、ハツタケ、クマシメジ、アカハツ、シロカノシタ
雑木林
タマゴタケ、コウタケ、サクラシメジ、ヤマイグチ、ムラサキシメジ、カワリハツ、バカマツタケ、セイタカイグチ、アカヤマドリタケ、ハナビラニカワタケ、コウジタケ、クリタケ、シロオオハラタケ
シイ・カシ
アブラシメジ、カンゾウタケ、シイサルノコシカケ
シラベ・コメツガ
ニカワハリタケ、マスタケ、クロカワ、ミヤマイロガワリ、アンズタケ、ウスタケ
モミ
アカモミタケ、オオモミタケ
カラマツ
キヌメリガサ、ハナイグチ、アミハナイグチ、ハナビラタケ、カイメンタケ、キノボリイグチ、カラマツベニハナイグチ
ゴヨウマツ
ベニハナイグチ

特定の樹木の下にしか発生しない

ハルシメジ
バラ科植物(ウメ、ナシ、ヤマザクラ)
チチタケ
落葉樹(クリ、コナラ、ミズナラ等)

4. グルメと食中毒

1. 食(とても旨い、旨い、食べられる、食えない事はない)
旨いキノコ タモギタケ、サクラシメジ、ホンシメジ、シャカシメジ、ハタケシメジ、タマゴタケ、チャナメツムタケ、ショウゲンジ、クリフウセンタケ、アカハツ、ハナイグチ、ムレオオフウセンタケ、クリタケ、ムキタケ、オオモミタケ
2. 毒(毒性の強弱、食べ方、体質、量)
中毒キノコの種類
  • 柄の根元にツボやイボのようなものがついている(テングタケ属)
  • ブナの枯れ枝に群生し、ややシイタケに似ている(ツキヨタケ)
  • 朽ち木に多数群生し、傘は小型でイコウ色〜淡黄褐色、苦みがある(ニガクリタケ)

5. 毒キノコにもいろいろある

1) 猛毒キノコ(死亡する場合もある)
ドクツルタケ、シロタマゴテングタケ、タマゴタケモドキ、ニセクロハツ、コレラタケ
2) 苦しみキノコ(数日から1ヶ月にわたり苦しむ)
ツキヨタケ、ニガクリタケ、ドクカラカサタケ、ドクササコ、オオキヌハダトマヤタケ(以上5種類猛毒に近い)、クロトマヤタケ、シロトマヤタケ、カブラアセタケ、オオワライタケ、ワライタケ、ヒカゲシビレタケ、アイセンボンタケ、クサウラベニタケ、コクサウラベニタケ、カキシメジ、ドクヤマドリタケ
3) 不快キノコ
ベニテングタケ、ハナホウキタケ、キホウキタケ、コガネホウキタケ、ツチスギタケ
4) 注意キノコ
ヒトヨタケ、ホテイシメジ、スギタケ(アルコールを飲むと悪酔い)、サマツモドキ、ミネシメジ、ナラタケモドキ、コガネタケ(体質による)

6. その種が主に発生する場所を基準とする分類

1) 山地性キノコ(奥山キノコ)
ブナ、ミズナラ等の広葉樹林の地(樹)上に発生
ムキタケ、ブナハリタケ、ブナシメジ、ニシキタケ、ツキヨタケ、ナメコ、マイタケ、ヤマブシタケ、タマウラベニタケ、サクラシメジ、コウタケ
モミ、ツガ、カラマツと広葉樹林の混合林の地(樹)上に発生
アンズタケ、アカモミタケ、ハナイグチ、フジウスタケ、マスタケ、ニセアシベニイグチ、ドクツルタケ
2) 平地性キノコ(人里キノコ)
広葉樹林
アラゲキクラゲ、エノキタケ、イタチタケ、ホコリタケ
芝生・道端
キコガサタケ、シバフタケ、オニフスベ、ムジナタケ、カニノツメ、コムラサキシメジ、ヒトヨタケ類
樹木や切り株
カワラタケ、ニクウスバタケ、カイガラタケ類
 いろいろな分類方法がありますので、あたなもキノコを分類してみたらいかがでしょうか。



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