上川きのこの会会長佐藤さんをお迎えして
上野広秋(鴻巣市)


a  98年3月10日、「上川きのこの会」会長の佐藤清吉さんが、ハナビラタケの人工栽培を福島隆一先生から直接習うために埼玉へ来られました。
 福島先生の都合が11日午後からというので急遽長瀞の自然史博物館案内することにし、前夜、会員の吉田考造さんに電話し、お連れすることを話したところ快く案内を引き受けてくれ、乾燥きのこの話、中国と長瀞の石が同じであるという話等共通の話題に大変喜ばれました。
 以後4日間、熊谷農業高校で学科と実技の勉強をされ、最終日14日に福島先生が埼玉きのこ研究会会員との交流の場を設けて、佐藤先生が15年にわたって写された大雪山の生き物のスライド写真を見ながら解説してくれ、塩津会長はじめ参加した会員のみなさん、高山植物、紅葉、ヒグマ等々食い入るように見ており、北海道への憧れを強くしたものと思います。
 振り返りますと佐藤先生との交流は、私が平成2年8月末に北海道へ釣を兼ねて旅行を計画した折、佐藤先生が大雪山周辺のきのこフィールドについて執筆している講談社の「見る・採る・食べる きのこカラー図鑑」という本を手にしたことがきっかけでした。 その中の「全国日本菌学会支部などときのこ同好会一覧」を読み、せっかく北海道へ行くのだから有意義な旅になるよう北海道のきのこも勉強したいと思ったのです。私の妹が旭川に住んでいるので、五十嵐恒夫先生の「北海道のきのこ」の本を取り寄せる一方、佐藤先生に直接お会いしたい旨の手紙を出したところ、快い返事をもらい、層雲峡を待ち合わせ場所にして、8月25日に私と家内で出発しました。28日に糠平温泉から裏大雪を通り層雲峡へ向かう途中で釣をしている時、見慣れないきのこを見つけたので採取し、佐藤先生にお会いしたときに早速見ていただいたところ「これはホシアンズタケですよ」ということで話がはずみ、一緒に近くを散策し、ニカワウロコタケも採取できたので、珍しいきのこを福島先生への土産にと箱に入れ、帰りの宿やカーフェリーの中でも氷を無心し、冷蔵しながら9月1日に熊農に届けることができました。福島先生はホシアンズタケを培養し、成功したことを佐藤先生に報告されたのです。
 また、平成5年には再度「上川きのこの会」の野外勉強会に合わせて9月12日に新潟から船で出掛け、9月15日に愛山渓方面へ会員のみなさんと出掛けました。また、私がしている事などを話したところ、会報「だいせつ」に載せてくれました。
 平成8年と9年には旭川から紋別の方へ息子とイワナ釣の解禁に合わせて飛行機で出掛けました。この時は顔を見に立ち寄っただけですが、昨秋福島先生が修学旅行で層雲峡へ行った折、上川町に立ち寄り佐藤先生と親しく話をされたようです。
 福島先生の研究熱心と培養技術を高く評価して、わざわざ埼玉まで勉強に来る佐藤先生のバイタリティには学ぶものがたくさんありますが、今回、会員のみなさんと交流できたことは誠に喜ばしく、スライド鑑賞と持ち寄り料理の懇親会が時間を忘れさせるほど盛り上がり、良い思い出となったようで、帰途につく時「大変勉強になり、楽しかった」と喜んでおられました。
 きのこに関して月とスッポンほど知識の豊富な佐藤先生と親しくさせていただけることは本当にありがたく、縁の不思議さを感じると共に、いろいろな本の執筆に参加されている気さくな先生の人柄にふれ、色々思い浮かぶものがたくさんあり、今後一層交流を深めていきたいと考えています。



HOME