調理法のちがい?ウラグロニガイグチの中毒と美食
秋山恭子(横瀬町)


a ◎私の場合。
  1. カサ径7pほどのしっかりした成菌3 本を適当に切って、ヒタヒタの水で15〜20分ほど煮詰める。煮汁はかなり濃厚で真っ黒になる。
  2. 別の鍋でバターをひき、ニンニクとタマネギを炒めた後、1の真っ黒な煮汁ともどもキノコを入れ、塩、コショウで味付ける。
  3. 煮汁が少なくなるまで煮詰め、生クリームを入れる。かなりドロッとした感じになる。
以上の調理方法でゆであがったスパゲッティをからめて食した。その結果、消化したと思われる10〜12時間後から胃痛がはじまり、3日間ほど続いたそうです。

◎宮脇さん(上記秋山さんの友人、神奈川きのこ会会員)の場合。
以下の1については記憶、2については食用に関する記録帳からの抜粋メモとの事。
  1. 1997年8月1日(採取は7/31)横瀬町日向山で採取したウラグロニガイグチについての調理メモ。 石つきを除き5m厚程度にカサ、柄共にスライスして3日間ほど日干しする(1日は秩父、あと2日は町田市)。ビニール袋にて保存する(カサ径5〜8cmのもの10 本)冬から春にかけての頃(記録ナシ)3〜4時間ほど水に戻す、褐色〜黒色の戻し汁は捨てる。
    鍋に水を張らず、戻したキノコを酒、ミリンで煮る。沸騰し、ひたひたの量の調味料が少し減ってきたら適量の醤油で味をととのえる。干した場合は和風に調理しても良い。箸休めにも酒の肴にも合う。
  2. 1998年8月6日横瀬町日向山で採取したウラグロニガイグチの調理メモ。 幼菌から成菌までの7個、小は丸ごと、大は2〜3ツ割とし水から煮出す(およそキノコが浮くか浮かないかの量で15分間)。 そのまま冷めるまで置き、ビニール袋に入れて冷蔵保存する。
    8月10日、野菜(ニンジン、玉ネギ、ジャガイモ)塩、コショウで炒め、火にかけたキノコスープ(キノコはスライスして入れてある)の中に入れ、生クリーム、少量のワインをだして弱火で煮込む。生クリームの白とウラグロの黒が溶け合っているのか、 分離しているのか不明といった色調のグレーとなるが、非常に強いコクとウマ味にウラグロ独自の風味が加わってたいへんおいしく好ましい。
以上の調理法1、2で、子供から大人(5、 16、18、20、46、47才)まで、 美味しく食べただけで体調の変化はなかったとの事。また、採取地は秋山さんと同じであったが、採取目はすこしづれていた。 宮脇さんは「管孔部の色が幼菌時においても黒色のもの」「成菌〜老菌であってもカサの色と似ているもの」がある事を多少きにしながら採った覚えがあり、また、スライスした時に紅変著しいものとほとんど変色しないものの差がかなりあるとメモしています。



HOME