きのこ好き少年―加藤優祈君
吉田考造(皆野町)


a  子どもが親に連れられ、親子できのこ狩りをする・したという話はよく耳にします。やがて大人になり、再びきのこに興味を持ちだした時のきっかけとして、その時の経験をあげる人は大勢います。しかし、子どものきのこ好きはあまり聞いたことがありませんでした。
 一昨年(2000)前からだったでしょうか、両神村在住の小学生が私の勤める博物館へ、両親と一緒にやってくるようになりました。小学校へ入学以来、きのこに興味をもち、子どもに後押しされるように親子3人で、きのこを探し始め、昨年からは特に、「冬虫夏草」にこだわって採集するようになりました。博物館で一時預かりしている凍結乾燥標本も次第に増えてきました。この子どもの名前は加藤優祈君、只今小学3年生、まもなく4年生になります。


加藤優祈君

 全国の同好会や研究会から会誌・会報が私たちの会に送られてきています。博物館ではそれらをデータベース化し保管しています。時折、子どもたち自身が書いた文章も見かけますが、こと「冬虫夏草」に限れば、皆無に等しいと思われました。ところが、京都の「冬虫夏草菌研究会 通信」を読んで、2人の少年、河嶋隆司君と山本航平君という名前が見い出されました。
 河嶋君は小学6年時に、同通信No.4(1999年7月10日発行)に平成10年の夏休み自由研究として京都理科研究会会長賞を受賞した作品「冬虫夏草観察の観察」を発表し、さらに、No.9(2001年7月30日発行)には、中学2年生として「カメムシ目に生じる冬虫夏の研究」を発表しています。本文から察する限りでは、彼は小学3年生で、きのこ観察会に参加して以来、会員の吉見昭一さんや杉山信夫さんらに指導をうけながら、冬虫夏草の研究をしている様子が伺われました。さて、もう一人の山本君は同通信No.9に小学校6年として、多分、お父さんだと思われますが、その人の力添えで「冬虫夏草のけんびきょう写真」を載せています。
 優祈君は日本冬虫夏草の会や冬虫夏草菌研究会にも入会し、只今勉強中と言ったところでしょうか。冬虫夏草研究の大家、故・清水大典さんの故郷・秩父で冬虫夏草を探し始めたことに、期待すると共にバックアップもしていきたいと思っております。


優祈君の研究ノート(一部)



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