埼玉県立松山女子高校 スライド発表会
担当:大久保彦、佐藤俊郎、茂木久江、加賀崎征江
報告:佐藤俊郎
開催日:2000年12月23日(土)
会場:埼玉県立松山女子高校
参加者名:22名。他に熊谷農業高校生徒7名。

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a 1 塩津会長 「挨拶」要旨
これからは、日本も「地味な時代」に入り、科学の基礎研究が必要になる。その意味でも、「埼玉きのこ研究会」の発展を期待する。

2 浅井郁夫氏 「埼玉きのこ研究会のホームページ」の紹介
ヤフーの「埼玉きのこ研究会」でみることができる。バックナンバーの一部、紹介。各地の研究会の現況。埼玉キノコでは、丸山・曽根田・浅井・高橋博氏等がホームページをもっている。キノコ関連記事等。マイコウェブは、きのこの検索に便利。「きのこ愛好家のためのパソコン活用術」を作成中。

3 富田稔氏 「峯山高原のきのこ」紹介
「峯山高原のきのこ」こぶケ岳?中腹(標高1200-1300m)での採集きのこの紹介。
クロアシノボリリュウ、クロチチタケ、ヌメリコウジタケ等。

4 大久保彦氏 「パワーポイントによるデモ」
デジタルカメラをテレビに放映し、パワーポイント(ソフト)を使って「何科きのこですか」「何きのこですか」という質問形式の映像を紹介し興味深かった。マクキヌの卵(幼菌)、クロニガイグチ、シロオニタケ、オオワライタケ、ハナガサタケ、ツチクラゲ、ヤマドリタケモドキ、ロウタケ等。

5 柴田靖氏 「埼玉と山口のキノコ」
「埼玉と山口県を中心に今まで採集した、きのこについて」エピソードを交えて発表され大変よかった。とくに注目されたものを記録する。9月に発生するホンシメジ、コトヒラシロテングタケについて、ヒロハチャチチタケ(関東と富山に多い)、チリメンチチタケは美味(柄に白い粉がつく、傘の周囲が「チリメン状」になっている、ホソツクシタケ(ホウの木の実からでる)、竜王峡で見つけたマツタケ、チャバラ(山口県の方言)美味(ショウゲンジのなかまで、傘にぬめりなく、柄の根元が黄色いソックスのようにみえる)。

6 熊谷農業高校の科学部(生徒発表)「カバノアナタケについての基礎研究」
「抗HIV-I作用」があると知られているカバノアナタケ(北海道上川町で採集)の栽培を
目標とする。培地は白樺のおがくずにに小麦粉とヌカを混ぜる。PHは5-7、29度、非常に
菌糸の伸びはよい。昔、青木実氏は「完全滅菌ではなく、自然の中でどのようにして、菌同士が攻めぎ合いをして成長していくか」という研究が必要だと言われたが、今日的意義が深い。(福島)、その他に、光るキノコ4種類について栽培を試みている。

7 籾山清氏 「活動記録」紹介
ホームページにのせる「埼玉きのこ研究会」の活動記録を紹介する。

8 大舘一夫氏 「不明種の紹介」
バカマツタケ、ミヤマオチバタケ、アシグロホウライタケ、ハイイロオニタケ、フジイロタケモドキ、シミイッポンシメジ、コゲチャイロガワリ、クロヤマイグチ、シュイロハツ、チギレハツ、ツチカブリモドキ、ニンギョウタケモドキ以上の近縁種等。

9 福島隆一氏 「菌根菌の栽培について」
(1) 自然汚染に対して、菌はどんな行動をとるかに注目した(滅菌栽培だけでは、問題が解決しない。
(2) 研究の結果、菌が伸びたらキノコの発生は何とか可能になるだろうと確信をもつに至った。「土の中の微生物とのかかわりが、子実体形成に関係がある」という仮説をもっている。
(3) アカゲシメジは菌の伸びがよく、マツタケと似ているので、マツタケの栽培の参考になる。イグチの系統種は菌が伸びやすく、10度位で「植え継ぎ」が可能だ。ヌメリイグチとチチアワタケは、組織があるときの菌と、植え継いで組織がなくなった時の菌とでは菌相が全く異なる。アミガサタケが春発生するのは、冬期、雑菌の多くが活動していない時期にアミガサタケの菌だけが「餌を食べて」栄養をとり、春に子実体を作っているのではないか、残念ながら、まだ栽培はできない。フウセンタケの系統は困難だが、今のところツバフウセンタケだけは菌がとれる。
 など興味深い示唆に富んだ解説があった。実際20種近くの菌を試験管の中で培養した実物を用意され、皆で観察できた。また特許や業界との関係等、難しい問題についても、若干ふれられ参考になった。



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