プロジェクターによる発表会
開催日時:2005年12月4日 9:30
集合場所:国立女性教育会館
参加者:33名
世話人: 大久保 彦、茂木久江、宮岡照江、佐藤俊朗、富田 稔
報告 :佐藤俊朗

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富田 稔さん

  アイセンボンタケ 04/10/16 馬不入山          イロガワリ 05/9/4 中間平

富田さん取っておきのフィールドで今年採集されたきのこの紹介である。プロジェクターに投影された映像と同じものをカラープリントで皆さん方に配布された。たいへん有難いことで発表者の意図が充分に理解され記憶に留められた。白色系のワタカラカサタケや、30cm近い柄の一部がかなり深く地中に入り込んだハイカグラテングタケ、イロガワリの変種などさらに検討したくなるような資料が提示された。

大久保 彦さん

 海外での採集体験や筑波大での研究をもとに、電子顕微鏡写真を交えて地下生子嚢菌について紹介された。トリフは世界で60種ほどあるといわれているが、最近日本でも方々で発見されている。コナラやアカシデの林に出やすいが、日本では土壌を選ばず赤土にもでる。外国ではアカマツやクロマツに出たり、ブナ、カバ、ミカン、クリからも出ると言われるので、条件さえ揃えば樹種を選ばず外生菌根をつくるものと考えられる。
 トリフを探して見ようという気になりそうな発表だった。

大館 一夫さん

都会では自然植生に合わない樹木が植えられているので、菌根菌は少なく腐生菌が多くなってくる。その意味でヒダナシタケ目のきのこを観察する意味が大きい。身近によく見られる「硬いきのこ」27種について、いろいろな角度からとらえた写真をもとに解説された。顕微鏡で観察すると意外性があって非常に面白いが、きのこの外形や切り口を観察することによってかなりのところまでは同定できるようである。守備範囲を硬いきのこまで広げて観察したいものである。

神 ナロウドさん

菌類や植物の生態系に詳しい神さんの講演であった。群馬県の猿が京温泉を根拠地として赤谷川・小出俣沢をフィールドに4つの林相(杉林生態系、カラマツ林生態系、ブナ・ミズナラ二次林生態系、渓畦林生態系)を設定する。各林相内で菌類群集生態から見た生物的、非生物的な環境異質性を抽出して自然の動向を少しでも把握したいという研究である。菌類群集の研究は世界的に流行の兆しがあり、本研究も多くの仮説を提示された興味深いものであった。

塩津 晋さん

所有されている農地で栽培しているきのこや周辺の畑や山林に発生するきのこについて紹介された。じゃがいもを掘ったあとに出た40cmにたっする巨大なアカハテングタケ、11月末に発生したハタケシメジ、栗の木に発生しやすいマイタケなど話題は尽きない。他にヤナギマツタケ、タモギタケ、ウスムラサキホウキタケ、オオイチョウタケなど、始めてパソコンデで処理されたとは思えないほど解りやすく提示された。

スライドによる発表からプロジェクターによる発表へと変わりつつあり、多彩で系統的・論理的な発表がしやすくなってきた。しかし基本は個々の種についての提示や同定にあると思われるので、多くの方々の発表が期待される。




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