プロジェクターによる発表会
             
開催日時:2007年12月15日(土)
集合場所:国立女性教育会館
参加者:31名
世話人:
大久保 彦、富田 稔茂木 久江、宮岡 照江
報告 :
茂木 久江、大久保 彦、武藤 治子
            
                                               
a 開会挨拶  松村会長

発表者

 富田稔 「きのこの子供たち」
  12種のキノコの幼菌を紹介しました。
 ダイダイガサ(鐘撞堂山) ヒナノヒガサ(幸手市中川崎) ブドウニガイグチ(鐘撞堂山)、成菌を味見し         たが苦くなかった。等。
 綺麗に撮れている「キノコの子供たち」でした。

 大久保 彦 「2007年に見たキノコ」
 インドネシア、北海道、奄美大島、秋田、埼玉といろいろな所へ行き観察した経験を発表しました。
 その中から、マツタケモドキはやはりモドキはモドキで、本物のように美味しくはなかったということで         す。マツタケは一本も無かったそうです。
    ホテイナラタケ      撮影  大久保 彦       マツタケモドキ    撮影  大久保 彦

 西田 誠之 「サビハチノスタケ属採集観察記録」
 サビハチノスタケは、小さいキノコなので(20mm〜28mm)双眼鏡で見つける。
 台風の後、落ちた枝から採集する。等の発表でした。
  
 神 ナロウド 「生物多様性や生態系へのアプローチのための菌類生態観察の一方法」
 豊富な内容の資料を用意されての発表でした。
 ツキヨタケの空中放糸
ツキヨタケの胞子食をするショウジョウバエ群等。
 珍しい写真ばかりで感動いたしました。

 江口 好晴 「小川町に発生する野生のキノコと気象条件について」
 @研究の目的  A調査方法  B解析方法  C結果及び考察  D結論
 野生キノコの出現は種独自の季節性があり、発生場所も奇主、寄生者の関係で限定された奇主に
出現する。等の発表をされました。
 その後、趣味の尺八、札所めぐりのお話を楽しそうにされました。

 永井 敦子「フランス菌学会の活動報告」
 キノコに興味を持ったきっかけ。
 フランスに留学し、フランス菌学会に入会した経緯。
 フランス菌学会の活動等。
 参考になる沢山のことを紹介していただきました。

 上原 貞美「初めて出会ったキノコ」
 9月17日、田子倉湖周辺の山にボートで行く。沢すじには高温のせいで未だ秋のキノコは無く、夏型の
キノコがポツポツあるのを見つける。最初のブナ林で未発表と思われる(ハラタケ科、カラカサタケ属のキノコ)
を発見する。(一箇所で50〜60本位) ついで白いイグチ科(シロヤマドリタケ似)を発見。
 9月23日奥多摩でオオミノクロアワタケではないかと思われるキノコに出会う。
との貴重な発表をしていただきました。

キノコグッヅ紹介(大久保、永井)


まとめ挨拶(福島副会長)


その他連絡事項(事務局)

 後記
 当日12月にしては風も無く、暖かく穏やかな一日でした。
 「プロジェクターによる発表、勉強会」は発表、参加、両者で作った内容在る充実した行事でした。

 ( 報告 茂木 久江 )

  プロジェクターによる発表・勉強会に参加して

今年は野暮用が多く会の行事に参加できずにいたので、行事には久しぶりの参加である。部屋に入ると壁面いっぱいにきのこがプリントされたポスターや布、手描きの絵が張ってあり、まずそれらに眼をひきつけられる。絵はつぼの形や柄の形、つばの形などが大きく描いてあり分りやすい。また色鮮やかなインドネシアのきのこやフランスのきのこまであり、きのこを学ぶのに国境は無く、又近頃の埼玉きのこの会の国際化を肌で感じる。

発表はプリントに沿って富田さんの「きのこの子供達」から始まった。大好きな幼菌たちはどれも可愛い。毒あるきのこでさえかわゆいからふしぎだ。どの表情も絵葉書にしたくなる。 2番目は大久保さん。2007年に見たきのこと一口におっしゃるが青森から奄美大島までと地域も種類も多くとても覚えきれない。わがまち川越にもキタマゴタケやマイタケもあったといわれ驚いたが、龍王峡でヤマヒルに血を吸われながらも写真を取り続けるという執念にそこまでやるかと肝をつぶす。鹿の糞のあるところにはヤマヒルがいるとの話はおもしろかった。これは忘れないほうがいい。 3番手は永井さん。フランス菌学会の話。プリントを読むと創立は1884年という。これだ、歴史が違うのだ。これは文化だと思った。だから子供のお話の中にもきのこはよくでてくるのだ。

次は少し難しい神さんの講演。難しいがたくさんの資料を用意してくださるので後から勉強できる。菌類を生態学から見る、観察せよとおっしゃる。けれどそんなことを考えながらキノコを見つめるなんて凡人にはなかなか出来ないことだ。午前中の最後は西田さんのサビハチノスタケ属という地味な聞いた事のない名のきのこの採取・観察記録の発表。こちらも詳しい資料が用意されている。珍しい、めったにお目にかかることのないきのことの事だが、こんなまずそうなきのこに血道をあげるなん・・・、いや、キノコ研究会のかがみだ。

こんがらがった頭を昼食でやすめ午後の勉強が始まる。初めて話をきかせていただく江口さんは越生町に発生するきのこと気象の関係を5年に亘って調査された。きのこと気象はわたしが考えても関係は深いと思えるので、きのこの個々の名前がわかればもっと興味がわくと思った。最後は分りやすく、上原さんが今年であった初めてのきのこを紹介してくださる。ベテランが初めて出会うきのこがまだある、ということのほうがおもしろし、まだまだ知られないきのこがあるんだなーとキノコ界の大きさにあらためて感心する。

たくさんの資料を用意してくださった発表者の方には時間が足りなかったのではと感じ、又聞くほうも、もう少しゆっくり話を聞きたかったと思える勉強会であった。おかげで有意義な1日が過ごせたことがうれしい。有難うございました。

 ( 報告 武藤 治子 )
 



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