■ 川越地区観察

       開催日:2009628(日)

       集合場所:川越・水上公園

       観察地区:水上公園周辺平地林(今福、砂新田、下松原地区、赤坂の森公園

       参加者:33

       世話人:西田誠之、大久保彦、藤野英雄

       報告:大久保 彦

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梅雨の時期にもかかわらず日中雨にも遭わずキノコ日和で鑑定会が終了しました。
 実施日は、昨年より一週間遅くしたのでテングタケ科とイグチ科のキノコがかなり発生していました。今年の特徴は、ツチダンゴから発生するタンポタケモドキ・ビロードクリイロイグチとニセアシベニイグチ・ボタンイボタケの幼菌でした。温暖化による影響で熱帯性のキノコのウチワタケとブドウタケも発生していました。
 観察場所は昨年と同じ場ですが、狭山・赤坂の森公園に行った人が多かった。 狭山・赤坂の森公園付近(三富新田)と言えば、江戸時代からの歴史ある農業地帯なので以下「平地林の利用(犬井、1996)」からの抜粋を載せます。

「武蔵野」を思い浮かべるとき、そこには必ず雑木林がある。コナラやクヌギなどの落葉樹やアカマツからなる雑木林は、人の手によって育まれた平地林であり、ヤマと呼んでいる。ヤマは、新緑、緑陰、紅葉、落ち葉、そして芽吹き、四季折々を見せる。
 武蔵野の農業の歴史はこのヤマとともにあり、地域の農村景観、武蔵野の原風景を決定づけている。 武蔵野台地の一角に三富地域があり、その中心となる「三富新田」は、300余年遡る江戸時代、元禄7年(1694年)からの新田開拓でその形が作られ、屋敷地と畑地とヤマからなる短冊型地割が今に伝わっている。 ヤマの樹木の毎年の生長は、薪炭材となり、落ち葉は畑の恵みを約束してくれた。それがこの地域に営々と続いてきた農業であり現代において「環境保全型農業」や「循環型農業」といわれる自然循環のシステムを完成しました。

藤野氏が同定カードを作成し全員に配布しましたが、科名と採集地を記入した人はごく一部の人でした。
 最後に、福島氏・西田氏と大久保で水上公園の所長に挨拶をして帰りました。



                    確 認 種

(ハラタケ類)

ヒラタケ科:アラゲカワキタケ、マツオウジ

キシメジ科アカチャツエタケ、サマツモドキ、キツネタケ、
 ムレオオイチョウタケ、ヒロヒダタケ、ツエタケ、ヒメカバイロタケ、
 ダイダイカサ、モリノカレバタケ
、コノハシメジ

 ツエタケ 撮影 河野 茂樹      コノハシメジ      アカチャツエタケ  撮影  西田 誠之

テングタケ科タマゴテングタケモドキ(アカハテングタケ)、
 ヒメコナカブリツルタケ、ガンタケ、キリンタケ、フクロツルタケ、
 ツルタケダマシ、テングタケ、テングタケダマシ、オオツルタケ、
 カバイロツルタケ

      キリンタケ         テングタケダマシ  撮影  西田 誠之        

ハラタケ科ツブカラカサタケ、ザラエノハラタケ、ウスキモリノカサ
、キツネノハナガサ

 ウスキモリノカサ 撮影 大久保 彦   キツネノハナガサ 撮影 西田 誠之

ヒトヨタケ科ヒトヨタケ、イタチタケ

モエギタケ科センボンイチメカサ、ヤケアトツムタケ

   センボンイチメガサ    撮影   西田 誠之


イッポンシメジ科キイボカサタケ

フウセンタケ科コバヤシアセタケ、カブラアセタケ、ナメシスギタケ(井口)
 カブラアセタケ、キイロアセタケ、キヌハダトヤマタケ

  キイロアセタケ  撮影  西田 誠之


ヒダハタケ科:イチョウタケ、サケバタケ

チャヒラタケ科クリゲノチャヒラタケ

イグチ科アカヤマドリ、アワタケ、キッコウアワタケ、クロアザアワタケ、
 イロガワリ、ウラグロニガイグチ、オニイグチモド、コオニイグチ、
 コショウイグチ、コゲチャニガイグチ、コゲチャイロカワリ、クリイロイグチ、  
 ビロードクリイロイグチ、ニセアシベニイグチ、ミドリニガイグチ、
 ホオベニシロアシイグチ、ヤマドリタケモドキ、ムラサキヤマドリタケ、
 スミゾメヤマイグ

 コゲチャイロガワリ ムラサキヤマドリタケ撮影河野茂樹   ビロードクリイロイグチ撮影西田誠之

ベニタケ科アカカバイロタケ、クロハツ、クサハツ、オキナクサハツ、
 キチャハツ、カワリハツ、ケショウハツ、ウコンハツ、アイタケ、
 ヒビワレシロハツ、ヤブレベニタケ(アカフチベニタケ)、チギレハツタケ、
 ケショウハツ、チチタケ、キチチタケ、ヒロハチチタケ、ツチカブリ、
 ツチカブリモドキ、
チョウジチチタケ、モチゲチチタケ、ドクベニタケ、
 ドクベニダマシ、ベニタケ属
3種、クロチチダマシ、ウズハツ
      アイタケ           ツチカブリ   撮影 河野 茂樹

(ヒダナシタケ類)

アンズタケ科:アンズタケ

ウロコタケ科:チャウロコタケ

シロソウメンタケ科:シロソウメンタケ

タコウキン科アミスギタケ、オツネンタケ、ウチワタケ、ツヤウチワタケ、
 ツヤウチワタケモドキ、センベイタケ、アオゾメタケ、ヒイロタケ、
 アラゲカワラタケ、ミダレアミタケ、シハイタケ、ミイロアミタケ
、ウズラタケ、
 ブドウタケ

  ブドウタケ  撮影  西田 誠之

イボタケ科ボタンイボタケ     

マンネンタケ科:マンネンタケ、オオミノコフキタケ

タバコウロコタケ科ネンドタケ、サジタケ

(腹菌類)

ホコリタケ科:ノウタケ

ツチグリ科:ツチグリ

 (子嚢菌類)

ツチダンゴキン科:ツチダンゴ

      ツチダンゴ         タンポタケモドキ  撮影  大久保 彦


ノボリリュウ科:ノボリリュウタケ属1種、クラガタノボリリュウ

バッカクキン科:オサムシタケ、タンポタケモドキ

  以上116種(日本菌類図鑑による分類)


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