[30周年記念行事] 野外観察会 

  開催日:7月15日(月・祝日)

  集合場所:県立小川元気プラザ駐車場

  観察地区:小川元気プラザ周辺

  参加者:34名(一日会員5名)

  世話人:大館一夫、近藤芳明、宮井正彦、栗原晴夫。

  報告:福島隆一

  撮影:河野茂樹

          事前説明
            


開会の辞 鑑定風景


会長鑑定解説 TV撮影


大館副会長解説 西田氏鑑定結果説明

 小川げんきプラザの野外勉強会は、例年10月に行ってきたが今年度は、30周年記念事業として梅雨明けの最もキノコの種類が多い季節に実施した。
 30周年記念という事も有り、スーパーJチャンネルのスタッフが
4人ほど見え、夏の毒キノコ特集を組んで戴いた。
 会長挨拶、事務局の諸注意、諸連絡後、きのこに慣れていない人や一日会員の方は、会長が解説をしながら万葉の小路よりスタートした。
 最初にクヌギ樹下でアカツボオオツルタケ(仮称)が見られ今年度はしっかり確認した。標本用に
1本だけ採集し、他の個体はツボの色だけ確認しその場に残した。
 今年は少し早めに切り上げ皆さんと一緒に昼食にした。食事後同定を行ったが、一時間足らずの間に100種を超えるキノコを鑑定するのは至難の業である。何時も私は自宅に持ち帰り調べたり、培養したりするが柔らかいキノコは、冷蔵庫に入れても時間との戦いであり苦労する。
 予定通り15時には終了し解散した。今回以下の様なきのこが見られた。

確認種

担子菌門、ハラタケ亜門、ハラタケ鋼

ハラタケ目

ヒラタケ科

ヒラタケ属 オオヒラタケツチヒラタケ

ヒドナンギュウム科

キツネタケ属 カレバキツネタケ

キシメジ科

サマツモドキ属 サマツモドキ

ツキヨタケ科 

アカアザタケ属 アカチャツエタケ

ポロテレウム科

ヒロヒラタケ属 ヒロヒダタケ

ホウライタケ科

ホウライタケ属 オオホウライタケ

ガマノホタケ科

ヒメカバイロタケ属 ヒメカバイロタケ

テングタケ科

テングタケ属 ヒメコナカブリツルタケ、テングタケダマシ、ツルタケオオツルタケ
アカツボオオツルタケ(仮称)タマゴタケ、
ガンタケ、コテングタケモドキ
シロタマゴテングタケ
アケボノドクツルタケ、シロテングタケ、コトヒラテングタケ
コシロオニタケ、ハイカグラテングタケ、ハイイロオニタケ?オオオニテングタケ

 
オオオニテングタケ 撮影 栗原晴夫     オオオニテングタケ 撮影 栗原晴夫

 
  コテングタケモドキ               シロテングタケ                ハイイロオニタケ?

ハラタケ科

キヌカラカサタケ属 キツネノハナガサ

オニタケ属 オニタケ

ナヨタケ科

ヒメヒトヨタケ属 ヒトヨタケ


       ヒトヨタケ

アセタケ科

アセタケ属 不明菌2種

チャヒラタケ属 クリゲノチャヒラタケ

フウセンタケ科

キショウゲンジ属 キショウゲンジ

イグチ目

イチョウタケ科

サケバタケ属 サケバタケ

クリイロイグチ科 

クリイロイグチ属 クリイロイグチ

イグチ科

アワタケ属 アワタケ、クロアザアワタケ

キイロイグチ属 ハナガサイグチ

ヌメリコウジタケ属 ヌメリコウジタケ

キアミアシイグチ属 オオミノクロアワタケ、キアミアシイグチ、ヨゴレキアミアシイグチ

ヤマドリタケ属 コガネヤマドリ、ニセアシベニイグチツブエノウラベニイグチ

二ガイグチ属 ミドリニガイグチ、キニガイグチ、クリイロニガイグチコビチャニガイグチ
ホオベニシロアシイグ

ヤマイグチ属 アケボノアワタケ、ウラグロニガイグチ

オニイグチ属 オニイグチモドキ、コオニイグチ

キクバナイグチ属 キクバナイグチ、セイタカイグチ、ミヤマベニイグチ

ベニイグチ属 ベニイグチ

  
    ハナガサイグチ                ホオベニシロアシイグチ         セイタカイグチ

ベニタケ目

ベニタケ科

ベニタケ属 クサハツ、カワリハツ、チギレハツ、ニオイコベニタケケショウハツ
ウコンハツ、ヒブワレシロハツ、ヤブレベニタケ


チチタケ属 チョウジチチタケ

ウロコタケ科

キウロコタケ属 チャウロコタケ、

ケシワウロコタケ属 ケシワウロコタ

タマチョレイタケ目

タマチョレイタケ科

タマチョレイタケ属 キアシグロタケ近縁種、スジウチワタケモドキ

シロアミタケ属 カワラタケ、アラゲカワラタケ、

マンネンタケ属 オオミノコフキタケ

ホウネンタケ属 ホウネンタケ

シュタケ属 ヒイロタケ

ツガサルノコシカケ科

ホウロクタケ属 ホウロクタケ

シワタケ科

エビウラタケ属 エビウラタケ

所属科未定 

オシロイタケ属 アケボノオシロイタケ


      アケボノオシロイタケ

ニクウチワタケ属 ニクウチワタケ

タバコウロコタケ目

所属科未定

シハイタケ属 ハカワラタ

アンズタケ目

アンズタケ科

アンズタケ属 アンズタケ、ヒナアンズタケ

キクラゲ目

キクラゲ科

キクラゲ属 アラゲキクラゲ

アカキクラゲ綱

アカキクラゲ目

アカキクラゲ科tidi

ツノマタタケ属 ツノマタタケ

子嚢菌門、盤菌綱

チャワンタケ目

ノボリリュウタケ科

ノボリリュウタケ属 ナガエノチャワンタケ

クロサイワイタケ目

クロサイワイタケ科

ヒポキシロン属 クロコブタケ

   以上 83種

種名の下側のアンダーラインは、栗原春夫氏が飯能で採集した物である。

種名の下側の波線ラインは、宮内幸子さんが上福岡で採集した物である。

オオヒラタケに付いて

 培養菌糸が伸長すると、白い柄の上にコレミウムと言う黒い液滴を大量に付ける。コレミウムは、オガクズ栽培しても、キノコの周辺や材周辺にも生じる特異なヒラタケの仲間であり、日本産はPleurotus cystidiosus O.K.Mill 和名(オオヒラタケ)1980年Mycologia青島とPleurotus abalonus S.J.Han,K.M.Chen.S.Cheng和名(クロアワビタケ)1987年日菌報、根田 古川がある。
 両種の違いは、コレミウムを作るかどうかで判断できる。またクロアワビタケの縁シスチジアは褐色、硬膜であり、傘表面菌糸および傘シスチジアの表面に褐色の帯がある。
 1982年台湾の茸類を勉強しようと1か月程各地を回りキノコを見てきた。台湾では、鮑茹(パウ クウ)と呼びどこでも売っており、ヒラタケよりも色が黒く大型で硬くしっかりした茸である。中華料理で食べたがとてもおいしく食べることができた。
 私は熊農に勤務していた時に、アオギリとシラカンバでオオヒラタケを採集し確認している。また野外では、嬬恋の勉強会でシラカンバの生きた木の、切り枝部分に生えているのを確認している。
 また平成11年の夏に人工栽培をおこなったが、ビン栽培も簡単にできる事が判った。25度以上で子実体の発蕈が良好であり熱帯や亜熱帯地域に適応したヒラタケの仲間である。
 コレミウムの黒い液滴に興味があり、現在試験中である。

    
オオヒラタケのコレミュウムです。培養するとこの様に奇妙な分生胞子を形成します。

オオオニテングタケ等

今回オオオニテングタケが飯能で採取され持参された。ユニチカ時代に2度見た事が有ったが、とにかく大型なテングタケの仲間である。埼玉県で初めて報告されるキノコであ自然の博物館に標本として納めた。

またハイカグラテングタケも久しぶりに見たキノコであるが、夏場、山地のコナラ等の雑木林を歩けば稀に見られるキノコである。

ハイイロオニタケについては、神戸森林植物園で沢山見てきたが、今回小川で見たハイイロオニタケは、少し様子が違っていたので、?にしてみた。北陸のキノコ図鑑などを見ても、ササクレハイイロオニタケ(仮称)ハイイロオニタケモドキ(仮称)なども記載されているように何種かあるように思える。

アカツボオオツルタケ(仮称)についても自然の博物館に収めた。今後種の同定の時に役立つものと思う。

クロコブタケと簡単に同定するが、クロコブタケの仲間は、多くの種類が有り、肉眼だけで判断できるものではないという事も頭の片隅に置いておく必要が有る。




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