■小川げんきプラザきのこ観察会
    (日本菌学会埼玉フォーレ慰労会を兼ね嵐山渓谷・平成楼で懇親会)


    開催日:2015年1017日(土)~18日(日)

    観察地区:埼玉県立小川げんきプラザ

    参加者:17

    世話人:福島隆一、大舘一夫、近藤芳明

    鑑定人:福島隆一、大舘一夫、近藤芳明

     報告:福島隆一

  
  早速撮影     撮影 富田稔       近藤氏の説明   撮影 富田稔



   天候候不順のせいか、昨年と同様10月に入り、めっきりきのこの数が少なくなりました。 今回の観察会では、
  冬虫夏草やツチダンゴ類、キンカク菌等の珍しい菌類が見られ近藤芳明様に丁寧な説明をして戴きました。
  また形態的特徴からヨソオイツルタケではないかと思われる個体が見つかりました。 傘の色が黄色味を
  帯びた美しいツルタケです。

   またキツブナラタケ(仮名)という少し黄色味がかり、根元が膨らむナラタケも有りました。10月の初めに
  秋田県 鹿角市でサモダシ(ナラタケ類の秋田方言)の話をし、現地で生態の勉強会を行った際、地元の方が、
  この地方では、笠のヌメリが強く一番おいしいサモダシであると教えて貰いました。秋田のキツブナラタケ
  と小川のキツブナラタケを培養して比較していますが、よく似た菌糸束が見られました。菌糸束の特徴だけ
  では何も判りませんが、全く異なる形質が出てきた訳では無いので、まあいいか‼と言う所です。 今後、
  根状菌糸束が良く成長する麦芽培地やニンジン培地で比較して検討してみます。念のため、キツブナラタケ
  とヨソオイツルタケは、自然の博物館に収めて置きました。
 
   ワタゲナラタケとかヤワナラタケと呼ばれるArmillaria gallicaというナラタケも有りました。これも培養して
  みましたが根状菌糸束の伸びが悪く、以前長瀞で培養した個体とは全く異なるため気分を害しました。
  もしかしたら赤天麻は、菌糸束成長の良いヤワナラタケを選んで食べているのだろうか?等といういい加減な
  妄想を巡らせています。

    晩秋のスギ林などを歩くと白色がかった美しいキノコに出くわすことが有ります。 このきのこはスギエダ
  タケと言います。千葉大の鈴木先生の研究室で食用キノコとして人工栽培の報告が有ります。

  またキサマツモドキという名前が有りましたが、平地では見かけた事がなかったので驚き、目を疑いました。
  ヤブアカゲシメジという同族のきのこが有るが持ち帰り調べてみなかったので何とも言えません。

   小雨がぱらつくような天候でしたので、鑑定を少し早めに切り上げて宿泊会場の嵐山渓谷温泉、平成楼に
  向かいました。今年度、森林公園を会場にして
926日から23日で日本菌学会埼玉フォーレが行われました。
  この大会を何とかこなすために、埼玉きのこ研究会の役員の方々には
2年前から準備して戴きました。
  今年度になり準備のための会議を何度も開き、大変なご足労をお掛けしました。会場の担当をして戴いた
  西田様の綿密な見取り図をもとに事故が起こらないようにと現地の案内役の下見を多くの方々にお願いし、
   2度のリハーサルを行い周到な準備を致しました。
   927日の勉強会の当日は、菌学会の会員が、自転車道に出て茸を採集しているという一般入場者の通報があり、
  一部ハプニングも有りましたが、救急車を呼ぶような事故も無く、無事終了致しました。これも埼玉きのこ
  研究会の多くの方々のおかげであると感謝致しております。

   平成楼では、夕食と埼玉フォーレのご苦労さん会と懇親会を兼ねて何時もの様に宴会に花を咲かせました。
  例年ですと
8月と9月には、近県の温泉のある民宿などに泊り、家族同伴でキノコの勉強会等を行ってきま
  したが、今年度は、埼玉フォーレが有り泊りで勉強会が出来なかったため、苦肉の策でこのような形の行事
  を組みました。来年度からは元の様に戻す心算で居ります。山に入ると判らないキノコが多く、何時までも
  考え続けてしまう苦しさが有りますが、それでもキノコが見たいと思うのは不思議な事です。

   平成楼の宿泊参加者は、以下の13名でした。福島隆一、福島瑩子、大舘一夫大舘久美、武藤節義、
  武藤治子、大久保彦、近藤芳明、近藤静子、籾山清、小峰喜美子、久保善助、栗原晴夫、また、村田紀彦さん
  が夜の懇親会に参加してくれました。





    
    キサマツモドキ 撮影 大久保彦     ナヨタケ属   撮影 大久保彦     キイロツチスギタケ 撮影 富田稔

     
     マンジュウガサ  撮影 富田稔     ツヤウチワタケ  撮影 富田稔      ハチノスタケ   撮影 大久保彦

     
     ヒメモグサタケ  撮影 大久保彦    タマキクラゲ   撮影 富田稔       ミヤマタンポタケ 撮影 大久保彦

     
  ツヅレサセツチダンゴ 撮影 大久保彦  アラゲコベニチャワンタケ 撮影 大久保彦  アケビタケ  撮影 大久保彦

     
    モエギビョウタケ 撮影 富田稔      コナサナギタケ  撮影 富田稔    ボーベリアの仲間  撮影 大久保彦
    
    ヨソオイツルタケ              撮影   栗原 晴夫

 確認種

ハラタケ目

シメジ科

スミゾメシメジ

キシメジ科

キサマツモドキ

 

タマバリタケ科

ヤワナラタケ、キツブナラタケ(仮名)

ダイダイタケ、スギエダタケ

ビロードツエタケの仲間

ホウライタケ科

ハナオチバタケ

クヌギタケ科

ニオイアシナガタケ

テングタケ科

ヨソオイツルタケ、フクロツルタケ

ウラベニガサ科

ウラベニガサ

ナヨタケ科

キララタケ、ナヨタケ属不明菌

モエギタケ科

ツチスギタケの仲間

フウセンタケ科

マンジュウガサ

                                            タマチョレイタケ目

タマチョレイタケ科

 

カワラタケ、カイガラタケ、ツヤウチワタケ

ハチノスタケ、チャカイガラタケ、ホウネンタケ

オオミノコフキタケ ミノタケ近縁種

ツガサルノコシカケ科

*ホウロクタケ、*アオゾメタケ

シワタケ科

ヒメモグサタケ

タバコウロコタケ目

タバコウロコタケ科

所属科 未確定

ダイダイタケ、ネンドタケ、ネンドタケモドキ

ハカワラタケ

ベニタケ目

ウロコタケ科

チャウロコタケ

シロキクラゲ目

シロキクラゲ科

ハナビラニカワタケ

キクラゲ目

ヒメキクラゲ科

タマキクラゲ

エウロチウム目

ツチダンゴ科

ミヤマタンポタケ、ツズレサセツチダンゴ

ビョウタケ目

ピロネマ菌科

アラゲコベニチャワンタケの仲間

キンカク菌科

アケビタケ、ドングリキンカク菌、ニセキンカクアカビョウタケ

所属科未確定

モエギビョウタケ

チャワンタケ目

ノボリリュウタケ科

ナガエノチャワンタケ

バッカクキン目

オフィオコルジケプス科

アナモルフ菌類(ハナサナギタケ、コナサナギタケ)

ボーベリアの仲間(カミキリムシに生育)

ヒメノスキフス属菌

 タマチョレイタケ目(ツガサルノコシカケ科)の * 印は褐色腐朽菌

                                                           

  

                        
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