■ 私とキノコ | ||
佐古信善 |
a |
私は山を歩くのが、ことのほか好きで、仕事の途中でも、気を引かれる山、森、林を見ると、いつの間にか、その中に入り歩きまわっている自分を見出すほどです。もちろん目的はきのこ採取ですが、それだけではなく、自然の懐の中で吸う緑の空気、土の香り、可憐に咲いている野の花、木や草のそれぞれの姿、形が、私を魅了し、それらを感じ触れることによって、自分が本来の自分に戻る満足感を味わう事が出来るのです。複雑な現代社会に生きる上での活力になっているのが、私にとっては、「自然だ」と言えると思います。とりわけ、新しいきのこは、見たことがないものへの興味が手伝って、その発見は大いなる喜びに変わるのです。
昨85年は、私にとって価値のある楽しい一年でした。今迄一度も目にした事のなかったショウゲンジ(ただし一本だけ)、ハナビラタケ(大分ありそうなので希望の方は7月下旬から8月にかけて案内します)、マスタケ、カブラマツタケ、シイタケ(野生のもの)、サンゴハリタケ(味わって見たかった)、コウタケ、と私のレパートリーが増え、マツタケも一本採取出来(写真を撮りたい方、見たい方御案内します。ただし採るのは私だけョ...?)、アカモミタケも群生とはいかない迄も結構多く出ていました。サクラシメジ、キシメジ、花がパーッと咲いた様なタマゴタケ、貴公子然としたウラベニホテイシメジ等々、とにかく私にとっては新しいきのこに出会ったり、毎年同じ場所に出るきのこと懐かしく再会したり、と本当に楽しい一年でした。
◎奥多摩湖周辺 今年もきのこの出るのが楽しみで、めっきり春めいてきた野山を眺望しています。もうすぐ芽吹く季節を前にして、新しいきのことの出会いに希望の片鱗を託して筆を置きます。 |