一度は食べてみたい天然のナメコ
森田 悟(熊谷市)


a  埼玉きのこ研究会に入会して6年になります。会の方々の茸への取り組みは色々の様で、ひたすら研究に勤しむ方、ひたすら美味しい茸を求めて山々をさすらう方、ともかく茸の話が好きで話し掛けられたら最後なかなかはなしてもらえない方、中にはウワバミが籠を背負って山を徘徊しているような酒豪の方もいらっしゃいます(このタイプが一番多い様に思われますが気のせいでしょうか)。
かく言う私は、美味しい茸を求めてのタイプです。なかなか学術的な意識が芽生えず観察会毎に行われる福島先生や諸先生方の茸についての貴重な解説も、右の耳から左の耳へ素通りの状況です。
 さて、どんな茸が美味しいのか、と言う事になると多少の個人差があるようで、一度クロカワを、茸図鑑の解説に従い醤油をたらして焼いて食べようと試みましたが、私の舌はどうにも受け付けませんでした。その後山で見掛けても見るだけにしています。ある折り宿泊勉強会で同室になった方々にそのことを話したら、もったいないあれは美味しいと、ウワバミ派の方がビールを飲みながら力説していました。どうやらクロカワはアルコールに通力のある茸の様です。タマゴタケについても、美味しいと言う方が多い様ですが、汁物にしたり、バターを載せ醤油をたらしホイール焼きで食べてみましたが、美味しくともなんともありませんでした。私にはまだナラタケの方が格段に美味しいと思います。まあ、料理の腕に問題があるのかも知れません。ただタマゴタケには見た目の可愛さがあり、林の中で見つけたときの感激は格別です。
 埼玉きのこで御知り合いになった方々に茸情報を伺ったり、茸狩りに同行させて頂いたりしてこれまで多くの美味しい茸に出会う事が出来ましたが、希少価値の本シメジや松茸、天然舞茸は別の世界として、私にとっての美味しい茸は、ハナイグチ、ハルシメジ、ハタケシメジ、ブナハリタケ、ムキタケ、クリタケ等です。
 最後に、今恋焦がれている茸はナメコです。何度か挑戦しましたがどうしたわけか私には縁の薄い茸です。この間も先輩に同行させて頂きやっと2本、初めて天然ナメコを拝見する事が出来て感激しました。が、話に聞く木にびっしりと付いている壮観な眺めにお目に掛れません。いつの日か近所に配って回れるほど、籠一杯に採れる日が来ないかと、欲の深い妄想に取り付かれている状態です。そんな日が来たらまた御話しさせて頂きたいと思います。



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