■ スライド勉強会(東松山市) | ||
世話人:大久保彦・佐藤俊朗・茂木久江・葛西美智子・宮岡照枝 報告:佐藤俊朗 |
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開催日:2002・1・21(土) | ||
開催場所:東松山女子高校(東松山市) 参加者:31名 |
a | 午後から霙や雪が予報される中、塩津会長の挨拶に続いて多彩な映像による発表が開始された。 富田稔さん「チップに生えたきのこ」 鷲宮の公園でチップ上に出たきのこの紹介である。ヒトヨタケ科・オキナタケ科・モエギタケ科に加えて、カニノツメ・キツネノタイマツ・ハタケチャダイゴケなど埼玉南部の公園でよく見られる種である。チップの樹種を調べたいところである。 柴田靖さん「2002年に出会ったきのこ」 広範囲の地域から採集された30数種について詳しい考察をされている。コガネムシタンポタケ・スギオウジ・ミドリタマゴテングタケ・タマノリイグチ・ヒメシロタモギタケ・サクラタケモドキ・クダアカゲシメジ・ヘイロウラベニタケなど注目さるべきものが多い。 神ナロウドさん「八甲田山蔦沼の森の菌類生態」 蔦沼から赤倉山にかけての地形・地質の成り立ちや樹相、そこに発生する菌類の生態について解説された。観察に基ずく具体例をもとに菌と植物・菌と動物の共生関係や菌と菌との抗争の実態に氏自身の結論・推論を示された。例えば、ハネカクシとムキタケ・ナラタケとタマウラベニタケ・エビタケとヌメリツバタケなど話題は尽きることが無かった。民間のきのこ同好会が「採集と同定」からさらに発展するための貴重な示唆を与えてくれた。 大久保彦さん「子嚢菌の分類」 チャワンタケ・ノボリリュウ・トリフの仲間について紹介された。特にトリフについての分類や身近な場所での発見例から始まり、フランスのトリフ事情をわが国のマツタケ事情になぞらえて話題にのせられた。 後藤康彦さん「印象に残ったきのこ」 今年採集された中からヒメムラサキシメジ・フタイロシメジ・テングタケダマシ近縁種(新種か)・コテングタケモドキ近縁種・ナガエノウラベニイグチ・クリイロイグチモドキなど同定に微妙な問題をはらんでいる種を中心にコメントを添えながら説明された。 藤野英雄さん「今年出会ったきのこ」 身近なところから遠方まで丁寧に探され、その発見の状況を説明された。自宅に発生したツキヨタケ・道路工事の斜面に見つけたナガエノスギタケ・巨大なカクミノシメジ・チャヌメリカラカサタケなど。 暗室に近い状況でのスライド発表会は記録が困難である。発表された6人の方々の内容はいづれも素晴らしく機会を見てその詳細を「いっぽん」に発表して頂きたいものである。 |