■ スライド勉強会
開催日:2004年12月5日(日)
開催場所:国立女性教育会館(嵐山町)
参加者:30名
世話人大久保 彦、茂木 久江、宮岡 照江、佐藤 俊朗
報告佐藤 俊朗


台風一過、快晴のもと恒例のスライド勉強会が定刻からやや遅れて開催された。パソコン等の接続に手間取ったようである。今年はひとつひとつがレベルの高いまとまった発表で興味深いものが多かった。

トリュフ博物館(大久保 彦)

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 フランスのトリュフ紀行であり映像を通して多くの話題が提供された。フランスではオーク()に菌根を作り黒トリュフが多く、イタリアの白トリュフより価値が下がるらしい。

宅地造成、造園等で人手が入って撹乱された土地に柏の木が茂り下草がなく苔でも生えていれば絶好、根元から1メートルぐらいの処に出やすいしいう。国内では熊本、大分、山梨、東京、埼玉、福島などで採取されている。

越谷児童館きのこセミナー(上原 貞美)

 7月、越谷の児童館からの要請で子供たちを対象に「キノコのお話」「キノコ料理の実習」を行った様子が紹介された。25名の参加があり、地域と交流できたことは今後の方向付けの意味でも有意義なことである。

 続いて用意されたきれいな写真の中からオオシロアリタケ、ニオウシメジ、ホシアンズタケ、アキノアシナガイグチ、タマチョレイタケ、ドクヤマドリ等について解説された。

都市公園で見られるきのこ(大館 一夫)

 人工的な都市公園でお目にかかれるハラタケ目のきのこを中心に紹介された。採取地を丁寧に明示されていたが、都会の貴重な「きのこ」はみだりに採取せず大切にしたいものである。浜離宮公園(ウラムラサキ、ツルタケ、ベニヒダタケ、クサミノシカタケ)代々木公園(ウスキテングタケ、ウラベニガサ、ヘビキノコモドキ、ニガクリタケ、ミドリスギタケ)芝公園(ツブカラカサタケ、ヒトヨタケ、ムジナタケ)駒場公園(カワリハツ)など。その他ヒダナシタケ目のきのこについても敷衍された。

注目されているきのこ(吉田 考造)

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 貴重なきのこ、ホンシメジ、ヤマドリタケモドキ、ホウキタケ、サクラシメジ、コウボウフデを採取した環境等について話題にされた。とくに宝登山で発見したコウボウフデに因んで「担子菌ケシボウズタケ目の仲間の筈が子嚢菌類の仲間である。(浅井 郁夫氏)」ことが確認された件について解説された。

吾国山のきのこ(富田 稔) 

 筑波山の東隣にあるこの山には僅かにブナ林が残っており、ほとんど毎年定点観察をされているという。今年はつぎのようなきのこが紹介された。シロアンズタケ、フクロツルタケ、ムレオオイチョウタケ、コガネヤマドリ、アカイボガサタケ、マントカラカサタケ、サクラタケなど。

今年、印象に残ったきのこ(西田 誠之)

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 広範囲にわたって採取された記録であるが、生態環境や類似菌に触れながら解説されていることに注目したい。巨大なムレオオフウセンタケ、富士山のマツタケとカナダのマツタケ、開田高原のウスキテングタケ、妙高高原のきのこ、その他にキタマゴタケ、シロツルタケ、ドウシンタケなど多数の種が紹介された。圧巻はカナダ紀行の映像で神秘的な氷河やその渓谷、アグネス湖の景観であった。森林の様相や動物と、採取された硬いきのこが主に紹介された。時期と天候に恵まれればバンクーバー郊外でマツタケが籠に何杯もとれるらしい。

 「スライド勉強会」といっても従来のスライド形式ではなく、すべてデジカメからパソコンを経てスクリーンに投影された発表であった。それだけに今後はさらに纏まった高レベルの研修会に発展することが期待される。

以上


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