今年度はシイタケ、ヌメリスギタケモドキ、シロヒラタケ、ヒラタケ、ナメコの5種類を接種しました。
シイタケ栽培用のコナラ原木と短木栽培用のイヌシデやサクラは橋本稔さんと長谷川勝三さんが前日に玉切り、準備をして頂きました。
橋本稔さんがカットした短木栽培用イヌシデ等 接種棒
種菌と接種器具、ヤナギの原木は福島が準備しました。
9時30分から作業の説明と作業上の諸注意(回転体:ドリルによる巻き込み)(ハンマーによる指叩き)(原木の落下注意)(カッターによる切傷)等の話しがなされました。
作業の流れは以下の通りです。
① シイタケの原木栽培
数年前より生駒が入手出来なくなり、オガクズ種菌を準備しました。それに伴いストッパー付きシイタケ錐(12mm)6個、オガクズ接種棒(16本)、発泡スチロール栓等は新たに購入致しました。
昨年まで行っていた駒打ち作業は皆さん慣れていますがオガクズ接種は初めての方が多かったので、デモンストレーション後、作業して頂きました。
オガクズ接種方法とスチロール栓の説明 発泡スチロール栓とヌメリスギタケモドキ(日光産)の種菌
②短木栽培等
次にヌメリスギタケモドキ、シロヒラタケ、ヒラタケ、ナメコの順に、短木栽培を表1のような内容で実施しました。
表1使用した原木と大きさ
菌種
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樹種・本数
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太さ(cm)平均
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高さ(cm)平均
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ヌメリスギタケモドキ
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ヤナギ ・60本
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15~25
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20
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シロヒラタケ、ヒラタケ
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イヌシデ・60本
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20~30
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20
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ナメコ
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ヤナギ、サクラ25本
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20~30
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20
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③販売、栽培方法の解説等
12時30分頃までに作業を終了し、その後販売(1本700円)しました。販売終了後プリントを見ながら30分程、栽培方法や要領について説明しました。仮伏せは敵だらけの菌の世界で、いち早く自分の城を造ってしまうという大事な作業である事や、ヌメリスギタケモドキの本伏せは、ヒラタケやナメコ等の様に地面に埋め込む必要が無い事等を話しました。
④、今年度の反省や感想
今年度はシイタケのオガクズ接種を行ってみましたが、作業性で言えば、駒打ちの方が速く、楽に行える事などを考えると今後の検討事項になると思いました。
短木栽培で、オガクズ種菌を塗るときに外にこぼれてしまう事が多く、今回会員の田端紀彦さんが幅の広い革ベルトをまきつける事によりオガ菌のこぼれを防ぐアイデアを示して頂きました。新しいアイデア等は直ぐに取り入れて栽培を行いたいと思いますので良い知恵が有りましたら情報をお願い致します。
橋本稔さんがカットしたイヌシデのカット面の平滑さには舌を巻いてしまいました。プロ並みのカット面でした。チェンソーの扱いなどは、どんどん聞いて頂きたいと思いました。
私は種菌管理や培地調整等を行いましたが、栗原幸子さんは慣れた手裁きで作業を行い、最後には、掻き出した種菌ビンを綺麗に洗って頂く等、大変お世話に成りました。
栽培の様子を撮って戴きました門倉恵さんにも大変お世話になり有難う御座いました。
きのこの会が発足してから、長い事栽培に携わって来ましたが、皆さんの協力で続ける事が出来ました。原木を伐採し、日陰で水抜きをし、前日に細かく玉切り植菌器具や原木を全て会場に運搬、売れ残った物や道具の片付け等、何時もの事ながら担当責任者の方は大変な思いをなされているものと恐縮しています。
きのこが生長するためには、動物や植物と同じ様に、温度や湿度、光やガス環境等が大切です。きのこが美しくと成長するために、高湿度の環境が必要で有り、この事が動植物の成長と異なります。
今後は家庭で楽しく栽培できる栽培簡易ボックスを開発しますので、滅菌の必要なきのこ達を勉強会の行事の時に持参した際には、前記の栽培箱に入れ家庭でじっくり観察して頂き、食べられるきのこは、賞味して頂ければと思います。
きのこの栽培は、生き物を飼う心が必要です。快適な環境を維持し、小まめに観察、育む百姓心が大切です。
今後もきのこの生き様を追い続けたいと思いますので、御協力宜しくお願い致します。
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