どうもいけない。記憶があいまいになって、かつて行った場所にすんなりと行き着けなくなってきている。おまけに今年はきのこにとっては良いめぐり合わせの天候だと思っていた割には、キノコの顔がイマイチ多くない。
しかしベニタケ科をはじめイグチ類、テングタケの仲間など、それなりの夏のキノコにはお目にかかることができた。
3時過ぎに宿についてみると、おどろくべき光景があった。駐車場の片隅でなんと、ざる一杯のマツタケを前にして既に出来上がっている一団がいる。聞けば用意したフライパンでホイル包みにしてマツタケを焼き、それを肴に祝杯を挙げたのだという。
後刻のネタばらしを聞くと、野沢氏が別所温泉の知人の手伝いにマツタケ山に入り、そのお礼としてもらってきたものだという。私が見た時点で未だ17、8本はあった。
一時は本当に彼らが採ってきたのかと、本気でだまされたほどであった。
野沢氏、持参のマツタケ 撮影 西田誠之
詳細解説
◎シラカシの樹下などによく発生するモチゲチチタケの乳液は特に粘りが強い。よってその乳液から天然ゴムを作ることができないか勘案されたがこの仲間は培養すると菌糸の伸びが非常に遅く実用不可となった。
◎ヒロハチチタケは亜高山帯のモミ林に多く見られる。
◎チチタケ属の白色の仲間に関しての識別方の解説があった。
◎イロガワリベニタケ、ススケベニタケなど変色するベニタケの仲間に最近発見したカワリハツに似た表皮をした変色性の種がある(西田)
◎オキナクサハツの名前の由来はカサ表面にシワがあるから。
◎フクロツルタケ------シロウロコツルタケ 従来の種は殆どこれ。
----アクイロウロコツルタケ 傘の条線がより顕著。傘の表面に平面的な鱗片が有る。
◎腐生性のイグチについて
参加する途中、榛名山の山頂付近の林中をくまなく探索した結果、腐生性のイグチを発見して持参された。以前にも同所で発見されたという事であった。
福島氏が榛名山中より採取した腐生性のイグチ
確 認 種
(ハラタケ類)
タマチョレレイタケ科 ニオイカワキタケ
ヒドナンギウム科 オオキツネタケ、カレバキツネタケ
キシメジ科
ヒナノヒガサ科 ヒナノヒガサ
ヒナノヒガサ
ツキヨタケ科 アカアザタケ、カブベニチャ、ワサビカレバタケ、オチバタケの仲間
ポロテレウム科 ヒロヒダタケ
テングタケ科 テングタケ、イボテングタケ、ツルタケ、カバイロツルタケ、タマゴタケ
タマゴタケ幼菌
シロウロコツルタケ、コガネテングタケ、ガンタケ
ハラタケ科 キツネノカラカサ、ハラタケ属
モエギタケ科 ハナガサタケ
アセタケ科 オオキヌハダトマヤタケ、ザラツキトマヤタケ、アセタケの仲間
フウセンタケ科 ササタケ属
イッポンシメジ科 ヒカゲウラベニタケ、イッポンシメジ属
イグチ科 キヒダタケ属
クリイロイグチ科 アイゾメイグチ
ヌメリイグチ科 ハナイグチ、ヌメリイグチ、チチアワタケ、アミタケ
アミタケ
イグチ科 アワタケ属、コショウイグチ、ウツロイイグチ、ヤマドリタケモドキ、
クロアワタケ、コガネヤマドリ、アカジコウ、コウジタケ、イロガワリ、ミヤマイロガワリ、
クロアワタケ 撮影 西田誠之 アカジコウ ミヤマイロガワリ
イロガワリ(針葉樹)、アメリカウラベニイロガワリ、アケボノアワタケ、ウラグロニガイグチ、
アメリカウラベニイロガワリ 同、老菌 撮影いずれも西田誠之
オクヤマニガイグチ、アカヤマドリ、ヤマイグチ
べニタケ科 クサハツ、オキナクサハツ、ニオイコベニタケ、カバイロハツ、
イロガワリベニタケ、ススケベニタケ、
イロガワリベニタケ 撮影 西田誠之
ツチカブリ、ツチカブリモドキ、アオゾメツチカブリ、チチタケ、ヒロハチチタケ
ビロードチチタケ、カラマツチチタケ、モチゲチチタケ、ハツタケ、チチタケの仲間、
ビロードチチタケ 撮影 西田誠之
(ヒダナシタケ類)
ラッパタケ科 ウスタケ
ハナビラタケ科 ハナビラタケ
マツバハリタケ科 ニオイハリタケモドキ
ニオイハリタケモドキ
ツガサルノコシカケ科 カイメンタケ
(腹菌類)
ニセショウロ科 ニセショウロ属
ハラタケ科 ホコリタケ(キツネノチャブクロ)、アラゲホコリタケモドキ
スッポンタケ科 マクキヌガサタケ?
(キクラゲ類)
アカキクラゲ科 ニカワホウキタケ
以上73種
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